うららかびより

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マテラッツィ兄さんの世にも不思議なアメージング決勝戦

…って感じでしたねえ。前日夜9時に寝て、3時におきて寝ぼけ眼で見ていたわけですが、いろんな意味でこの人が一番ゲームを動かすようなことをしたような、そんな気がしました。PKを与え、同点ゴールをたたっこみ…あれ、これ劇場?ここ千葉マリン?あなた小林雅英?そして延長、くるりときびすを返したジダンが、彼に矢のような頭突きを食らわした瞬間、フランス代表というチームは完全に壊れ、後はPK戦まで、あとはいつイタリアが止めを刺すかというだけの状態でゆるりと過ぎていってしまって。トレゼゲ、何のために出てきたのかわからずじまい。あれじゃあ、みすみす傷つきにいったようなもんじゃないか…。
うーん、でも前半はともかく、後半もまた眠かった。アンリやジダンの個人技に頼らざるを得ず、もがくフランス。手のひらの上で弄ぶイタリア。しかしそんな彼らも、フランスの最終ラインを完全にこじ開けることができなかった。非常に守備的なゲームだったと思います。単調で、凡戦だった時間帯もあったといえます。しかし私は、イタリアのすばやいカウンター攻撃より、両チームの屋台骨をここまで支えてきた守備的な選手たちの、体を張ったプレイに惹かれました。特にカンナバーロガットゥーゾの運動量、すばらしかった。
トッティは残念でしたね。気がついたら「トッティ交代ですね」→「あれえ、おまえさんいたのか!」と初めて気づくぐらいの(と書くのはちと大げさか)利いて無さ。あれで本当に、代表を引退する気でしょうか。なんかわびしいぞ…。
わびしいというか、さびしいのはジダン。ほんとうにこれで、シューズを脱いでしまうんですね。2000年チャンピオンズリーグのリプレイ(私は画像では見てなくて、サッカーマガジンのカラーページで読んだだけなんだけど)みたいで。気持ちはわかるけど、やっちゃいけない。ずっとずっとたまっていたマグマが、悲しくあふれ出てしまいました。最後の幕引きまでも、みんなの予想を裏切って、彼は行ってしまった。つくづく、異能の人だったな。
31日間っていうのも、終わってみればあっという間。…なんて陳腐な表現ですが。4年に一回の夢が覚めて、またJリーグという現実が戻ってくるのがうれしい。かわいいガンバの連中は、とっくにグアムから戻ってきて、ジュビロ磐田という難物と戦うべくいつものグラウンドで牙を研いでいます。スタジアムが、ぽっかりと大きな入り口を開けて、もうすぐ私たちを迎え入れてくれます。遠いドイツの地で繰り広げられた熱狂に少しでもにじり寄るために、またあのW杯という舞台に日本代表を帰すために。新しい4年間の戦いはもう始まっています。
僕らのサッカーに、愛すべきクラブに、声援を送り、時にはケツを蹴り上げ、叱咤激励しながらともに歩む…そんな日常。遠ざかってみると、どんなに大事かがわかります。帰れるその日まで、後もう少し。