うららかびより

家族のこと、趣味のこと、その他いろいろなこと

ハロー、グッバイ

別れってのはいつだって突然で、いきなり視界の外からぬっと現れては心臓を串刺しにして去っていく。なんともたちの悪いものでもありますが、見方を変えるとその傷口の痛みによって、まだ自分は心を失っていないのだなという確認を、ひとはしているのかなあという気がするのです。この考え自体たちが悪いか。
アジアシリーズ疲れでぼんやりとしたまま、あさから電車に揺られて。そういうときの楽しみは、携帯版はてなアンテナで、大好きなサイトを覗く事です。最近疲れや時間の無さから、家ではあまりPCを開けないしテレビも見られないけれど、この手のひらの中の小さい窓で、かろうじて世界とつながってる。それはいいか悪いかは別にして。
いつも読んでいる大好きなサイトがありました。その中の人は、音楽が大好きで、その大好きな気持ちと日常を、端正な絵とともに淡々とつづっておられました。わたしと年がちかくて、同じような音楽遍歴で。決して過度にドラマチックなわけでもなく、自虐的でなく。あたりまえのことを呼吸と同じくらい自然に、吐き出せる人でした。ふつう=ありふれているという概念があるけれど、WEBという媒体がどんどん過剰に拡大していく中で、ふつうであり続ける事は、意外と難しいし、勇気がいる。現実でなくても、ふつうでいることは実は一番難しい。そんななかにあって嫌な事も、辛い事も、ふつうに正直につづる人で、そんな彼女の文章が、とても好きでした。普段はやわらかい雰囲気と文体でも、自分の意見を持っている人の文章は、やはり説得力があるものです。
でも今朝いつもどおり、サイトを開いてみたら。事情があって閉鎖を決めた旨が書かれていました。
とても残念だけれど、その人が書いている間ずっと楽しかった、と書いてくださったのはうれしかった。私も読んでいて、とても楽しかったから。
アイキューレイテンイチ。さん、ありがとうございました。