うららかびより

家族のこと、趣味のこと、その他いろいろなこと

2018年1月15日の面会メモ(生後3ヶ月/117日)

前日の面会がしり切れとんぼになってしまったのが心配になり、本当は1日休むつもりだったけれど、行くことにした。

病室に着くと、手足をゆっくり動かしておめめぱっちり。注入後お腹が落ち着いたのを見計らって、お風呂開始。ほぉ~っと、いつものほっこり顔を見せてくれる。「いつもの」「問題ない」…昨日の状態を思うと、こんな何気ない言葉を使えることすら、ありがたく思う。

私たちの生活は、よくある赤ちゃんとの暮らしとはかなりかけ離れてしまった。しかしだからこそ、自分達にとってのあたりまえが大事に思えてくる。とは言え、明日には嵐のように急変してしまうかもしれないという怖さは、心の片隅に必ずある。無理矢理押さえつけるとかえって苦しくなるから、うまく付き合って行きたい。1日1日を大事に。

新しい肌着とおむつを身に付けてから、抱っこした。ほんのりとした温かみと重み。ぷくぷくとした頬。眠くなると白目をむいたり、寄り目になったりするのが面白い。素直に、かつゆっくりと眠気に負けて、コックリコックリしていく。表情ひとつひとつの変化がたまらなく可愛い。生きている証を両手にビシバシと感じる。そのせいか、この日は抱っこすればするほど、帰りの時間が近づいてくるのが寂しかった。だから帰る時間ギリギリまで、抱き締めていた。

一緒に暮らせば、時間なんて気にする必要もなくなるのだろうな。そんな日が来たらうれしい。

https://www.instagram.com/p/Bd-FNZslCIj/

本日生後117日を迎えたピーくん。最近は呼吸器付けててもサチュレーションがひくくなって苦しがってしまったり、心配が続いていました。しかし今日は久しぶりに穏やかで、可愛い表情をたくさん見ることができました。最近よく手足をばたつかせます。もうすぐ4ヶ月、動きたい欲求が出てきたのかな?#ピーくんの成長 #生後3ヶ月 #18トリソミー #nicu #クリーンカラーリアルブラッシュ #マルマン #スケッチブック #イラストレーション #イラスト #親バカ部 #drgrip #trisomy18

昨日は体を休めるために、面会をお休みした。なにもせずダラダラと横になったのなんて、久しぶりで嬉しかった。そして夜には、18トリソミー児写真集への寄せ書きを家族で書いた。完成が楽しみだ。

https://www.instagram.com/p/BeAsrfilkhI/

写真を載せていただく予定の18トリソミー児写真集で家族の寄せ書きを募集されていると知り、家族3人でピーくんへの思いを書きました。上から順に魂子、私、夫です。ピーくん、病院で穏やかに過ごせているかな?1日ゆっくりしたので、明日は会いに行ってきます。#ピーくんの成長 #18トリソミー #trisomy18 #nicu #生後3ヶ月

2018年1月14日の面会メモ(生後3ヶ月/116日)

家族3人に加えて、義父と共にファミリールームで面会。

前日ひとりで面会に行った夫いわく、呼吸は安定しているが熱はあったとのこと。お風呂に入れたらご機嫌になったそうだ。木曜日にアラーム音が連発していたときよりも、落ち着いて来たようだ。

面会時間に合わせて呼吸器離脱を始めたピーくん、手足をバタバタ動かし、時々アッ!と発声。魂子の赤ちゃん絵本読み聞かせにじーっと聞き入る様子を見せるなど、積極的な反応を見せた。ゆっくりではあるが自分なりの発達をしている姿に、おじいちゃんも安心した様子。前回会った時は、コードやチューブが沢山ついたピーくんの様子に、「痛々しいねえ…」と心を痛めている感じだったけれど、その時よりはピーくんの病気を受け入れてもらえているのかもしれない。

注入の時間の前に、沐浴。肌着とおむつを脱がせて、担当看護師さんにモニター用のセンサーをとってもらい、酸素を流すカニューレのみ着用したピーくんをそうっと、ベビーバスの中へ入れた。いつもよりびっくりしたような顔つき。少しお湯が熱かったかもしれない。あっ、あったかい!と言わんばかりに目が大きくなり、キョロキョロしだした。

普段呼吸器に繋がれてベビーベッドに横たわるピーくんは、体験できることや感覚がとても少ない。でも、快いとか好きだという感情が育っているのがはっきりとわかるから、ピーくんの沐浴は私にとっても癒しであり、ホッとする一時なのだ。物言えぬ小さな我が子が、痛みや呼吸の苦しみを日々感じている中、一息ついてリラックスできる機会を与える。私にできる数少ない、親らしいことだ。

生まれたときから髪の毛がふさふさで、長くなってきたので、そろそろシャンプーが必要かもしれない。「気持ちいいねえ」「ふさふさだねえ」と、とりとめのない言葉をかけながらピーくんの全身を洗っていった。長湯は体の負担が大きいので、手早くしっかりと洗う。このへん、魂子の時の経験が生きている。

風呂から上がったピーくんをバスタオルで蓑虫みたいにして、優しく押しぶきしてから服を着せていき、綿棒で耳掃除する。ピーくんの耳は18トリソミー児の特徴をよく現していて、小さく複雑な形をしている。ひっそりと咲く野ばらの花のようだ。そんなかわいいところに、クサッとなる汚れをためたくないので、丁寧に掃除した。

ここまではご機嫌だったピーくん、注入の支度をしようとしたところでむずがって泣き出してしまった。サチュレーションの値が下がり、アラームが何度も鳴る。無理はさせられないので、病室に戻って呼吸器を着けることになった。そうなると、入れるのは両親のみ。義父と魂子は会えない。

突然の面会終了に、魂子はショックを受けてしまった。夫が付き添ってピーくんが病室に戻ると、しくしく泣き出した。注入の支度をを手伝うのを、楽しみにしていた。ピーくんが生まれる前、魂子は大きくなった私のお腹を見ながら、「あかちゃんにミルクをあげたい」と無邪気な希望を述べていた。病気がわかり、生後すぐからNICUに入ることになって、その希望はなかなか叶わなかったけれど、前回の面会で注入を手伝うことで間接的に実現したのだ。それで、2回目を楽しみにしていたのだが…。

魂子がピーくんとしたいことは、きっと他にも沢山ある。けれど、普通じゃないこの状況を幼いながらに肌で感じて、我慢してる。なんせ、私に似て気持ちを溜め込んでしまう子だ。厄介なところを受け継がせてしまったものだ。申し訳なくて、ぎゅーっと、小さな娘の体をだっこした。

どんな状況に身を置いても自分を不幸とは思わない、他者から見れば砂金のような小さな一粒であってもそこから多くの喜びや幸せを見いだせる人たちはいる。強い。そういう人たちの話ばかりを聞いていると、今の状況について落ち込む自分が悪いのではないかという気さえしてくる。そうやって、自分を責めたときがあった。

心の強い人たちは、すごいと思うけど真似できるもんでもない。もともとネガ思考の人間なんだし、落ち込んだら落ち込んだでそれは仕方ないのだ。落ち込んだら、また這い上がればいい。無理してアッパーでいるよりも、私にはその方が楽だ。ゼロか100かではなく、その間にたくさんある色々なもののなかで、つかんだいいもの、ましなもの、苦いものを数えて、思い出を組み上げていく。モザイクや曼陀羅みたいに、ちょっと離れたところから振り替えって見てみれば、きっと何かの意味を成すのだろう。

魂子がいま積み上げている感情は、きっと無駄じゃない。ピーくんへの優しさは伝わってる。わかってもらえたらいいな。

 

2018年1月11日の面会メモ(生後3ヶ月/113日)

午後から1人で面会。ぱっちり目を開けたままこちらをチラッと見て出迎えてくれる。手足はバタバタ。顔色もいい。それなのに、一昨日と同様にサチュレーションの値がしばしば下がっては、アラームが鳴る。一体なぜだろう。呼吸器の酸素濃度の設定値が、少し上がっていた。やはり少し悪くなってきているのか。

この日も結局、お風呂は無し。私も体調がいまいちで、暖かいNICUの中で眠くなるほどだったので、ベッドの上で穏やかに過ごしてもらった。無理に抱っこして、落っことしたら大変だ。背中をトントンすると少しずつうつらうつらし始めて、寝たかな?と思ったら、目をクワッと開ける。起きている時間が増えた。黒目がちな眼が私の顔を映すとき、少しずつ意志の光が宿ってきたのを感じる。

定型の発達をする子なら、そろそろ首が据わったり、寝返りの練習を始める頃だろうか。幸か不幸か、魂子がいつ頃どうなったか、すぐには思い出せないくらいにはブランクがあるので、いちいち比べてため息をつかないで済んでいる。私はこの先一体、この子のどんな姿を観られるのだろうか。

そんなことを考えていたからか、どうにも疲れが抜けない。帰宅してもぼんやりとした不調が続くので、翌日の面会は休むことにした。

長丁場なら歓迎だよ、ピーくん。むしろじっくりつきあわせて欲しい。一日でも長く、その大きな黒い瞳が輝いていますように。

 

2018年1月9日の面会メモ(生後3ヶ月/111日)

今年最初の一人面会。病室に着くと、ピーくんは目をぱっちりと開けて元気に左手をブンブンと振っていた。3か月を過ぎた辺りから、手足の動きが活発化している。胸や足に付いているモニターから延びるコードに引っかかってしまわないか心配だけれど、彼なりの発達が見られるのはうれしい。

担当看護師さんに見てもらいながら、投薬と注入の練習。シリンジの扱いが難しくて、白湯で溶いた粉薬をうまく吸い上げられない。自分、不器用ですから…とか言ってる場合ではない。ピーくんとの同居を実現させるためには、慣れが必要だ。魂子の場合は龍角散の「おくすりのめたね」には足を向けて眠れない勢いでお世話になってるけど、ピーくんの場合はそうもいかない。

何とか注入まで終わらせて、お腹が落ち着いたところで抱っこ。しかしこの日のピーくん、呼吸器離脱する前からやたらサチュレーション*1の値が下がり、そのたびにモニターのアラーム音が鳴った。3ヶ月以上も病室に通い詰めると、流石に1回くらいなら動じなくなるけれど、繰り返され積み重なると、流石に不安にもなる。トントンと背中を叩いたり声かけすると、たいてい本人が頑張って息をして、数値が戻る。しかしこの日はそれでも、90に届くことは少なかった。ちなみに、健康な人間ならほぼ99から100となる。

心臓が疲れてきたのかなあ。無理させてしまっているのかなあ。少しずつピーくんに忍び寄る死の影を感じてしまって、恐ろしくなった。この日も呼吸器離脱が予定されていたが、負担をかけないために離脱はお風呂の時の短時間のみとなった。

お風呂の時は、いつものようにいい顔をしてくれる。目を大きくあけて、ほわ~っとリラックスした顔。とてもかわいらしく、赤ちゃんらしい。いつも頑張っているから、この時くらいはゆるんで甘えて欲しい。そのためにも、カーチャンはおふろマスターを目指すよ。気がついたら、ベビーソープの中身がそろそろなくなりそうだ。ここまで、生きていてくれたのだなあ。感慨深かった。近々詰め替えの用意をしよう。

お風呂の後はまた呼吸器をつけると、うとうと眠りに入った。ストンと入眠できるなら、苦しくないはず。どんな夢を観るのだろう。魂子の夢には最近、ピーくんが出てくるようになったらしい。家で一緒に暮らしたいと願う魂子の夢が、叶いますように。

https://www.instagram.com/p/BdudBmwFhT5/

本日生後111日を迎えたピーくん。お熱が上がっていたせいか、サチュレーションがしばしば低下したのが心配でした。負担をかけないために呼吸器離脱もお風呂の時のみ。しかし、お風呂につかるといきなり目をカッ!と見開きご機嫌に。その後は呼吸器をつけ直していただき、眠りの世界へ…。 しかしどれだけ風呂好きなんだw心配だけど、カーチャンはそのたくましさを信じているよ。入浴時の髪の毛のペタンコ感を出すのが難しいです…。 #ピーくんの成長 #生後3ヶ月 #18トリソミー #trisomy18 #nicu #イラストレーション #イラスト #クリーンカラーリアルブラッシュ #playcolor #コピックマルチライナー #マルマン #スケッチブック

 

今はピーくんの生きる力を信じよう。

*1:血液中の酸素飽和度

正月休みもそろそろおしまい

年明けしてもう9日。ようやくまともに書く時間が取れた。例年通り、保育園のありがたみが身に染みる年末年始だった…(げっそり)。魂子と一緒にいること自体は苦痛ではないが、とにかく全力で「おかあしゃんだいしゅき!」と体当たりで向かってくるので、ひたすら体力を消費する。ドラクエでいうと、ずっとどく状態でいるようなもんで…タイムスリップできるなら、昔の自分にもっと体力を付けておけとアドバイスしたい。おそらく結婚して子供もいるなんて、信じないだろうが。

去年12月から、ふと思い立って再開してみたこのブログ、どうにか2018年を迎えることができた。様々な経路から辿り着いて読んでくださった皆様、ありがとうございます。読み返してみると再開後の記事は、ピーくんの病気の影響で、若干暗めの私小説みたいなテイストですね…お恥ずかしいやら何やら。もう少し手広く、自由に書きたいのに、出来上がったものを読むといつもあれれっとなる。計画性を持ちましょう。

さて、新年というわけで、今年最初の記事は今週のお題「2018年の抱負」について書きます。

ピーくん退院、そして家族4人で暮らす

やはりこれを第一に考えて行きたい。ただ、目標として書くとシンプルに見えるけれど、達成するまでにはまだ多くの決断と、諦めと、迷いを乗り越えて行くのだろうな。ピーくんが生まれたことはとても嬉しい反面、それ以降彼のことで悩まなかった日はない。

冬休みは、何度もみんなで面会しに行って、どんどんかわいくなっていくピーくんを目の当たりにし、ちょっと笑ってくれただけで家族みんなで大騒ぎ。お風呂の時のいきいき、きらきらした表情を見ていると、生まれてきてくれて本当によかったと思う。魂子はひらがなだけの赤ちゃん絵本なら読み聞かせができるようになり、注入や入浴の時のお世話の手伝いまでしてくれるようになった。夫も、お風呂の入れ方が上手になり、今は注入の手順の勉強をしている。激務のため、暖かいNICU内ではほぼ毎回居眠りしてしまうのは、ご愛敬。もう、ピーくんはすっかり私たちの家族だ。かけがえのない、家族という仲間のひとりなのだ。

だからこそ、こわい。彼を失った後、私は正気でいられるのだろうか。何食わぬ顔で、働けるのだろうか。生きていけるのだろうか。今日まで彼のために行ってきた取捨選択は、ほんとうにただしく、一日でも長く生きるためには必要だったのだろうか。「十二大戦」の寝住みたいな能力が欲しいなんて、しょうもないことを思ったこともあった。でも、あれはあれでつらいのよね。

前向きに、明るく、なんて言われるのは、子供のころから嫌いだった。こちとらどちらの方向が前かもわからないんだよ!と内心毒づいていた。でも今は、力づくでも前を向いて、踏ん張って歩きたい。私が思った方向が、前なんだって信じたい。でも、そのために無闇に自分を痛めつけたり酷使することはしないでおく。夫や魂子と歩む人生だって、まだ長いはずなのだから。

見えるところも見えないところも、家を整える 

そんなに高い給料をもらっていないくせに、恥ずかしながらお金については深く考えたことがなく、忙しさにかまけてどんぶり勘定を続けてきてしまっていた。ピーくんの妊娠が分かったときに「これだけあれば足りるだろう」ととっておいた予算は、ピーくんの病気が分かってからの転院に伴う分娩費用の増額、検査に次ぐ検査、誕生してからの入院費などで大幅にオーバーしたうえで既に吹っ飛んでしまった。毎月同じ日に、まとまった額のお金が振り込まれることの有難さが、いまさらながら身に染みる。

そのうえ、妊娠中から悪阻でろくに片付けができず、ただでさえ散らかった我が家は倍率ドン、さらに倍(古い)で汚いお家になってしまった。これでは、ピーくんを連れ帰るどころではない。魂子が小学生になれば、家庭訪問もあるだろうし。アカン。いろいろ頑張らねば。 ううむ、いそがしい。

2018年は色々と忘れられない年になりそうだ

いつ尽きるかわからないピーくんの命と向き合い続け、自分の働き方についてもいろいろ思うところがあり…この年が終わるころには、私にも様々な変化が訪れる予感がしている。それがいいことなのか、悪いことなのか。わからないけど、とりあえず走ることにする。

そんなこんなで、よろしくお願いします。

2017年12月30日の面会メモ(生後3ヶ月/101日)

一週間振りの家族面会。今年はこれで最後となる。冬休み中で、いつもよりも面会者が多いNICUだった。控え室のロッカーが、なんと1個しか空いていなかったのだ。ひええ。

なお、ピーくんは重症だからか通常父母のみ面会可能なところ、きょうだい児と祖父母についても許可されている。他の赤ちゃんのきょうだい児は、冬休みで預けどころがない場合、そうした子の為に用意された別室で待つ。この日はそこも使用中。あぶれた子がロッカーのそばでゲームしながら独り待っていたが、しまいに「ママー、まだあー?」とぐずりだしてしまったのに居合わせた。お母さんも赤ちゃんにかかりっきりで大変なのを承知で、耐えて待っていたのが爆発してしまったようだ。切ない光景だった。

ファミリールームでピーくんを待つ。呼吸器離脱したら泣いてしまったそうで、少し遅れてやってきた。運ばれてきてもまだプンプン、怒り泣きしている。赤ちゃんは泣くのが仕事というけれど、心臓に持病のあるピーくんはあまり泣かせず、穏やかに過ごすのが一番なのだ。というわけで、面会の度に行っている沐浴を先に行ってしまうことにした。

お父さんの大きな手に包まれてお風呂に浸かると、ピーくんは緊張がほぐれたようで穏やかな顔になった。体を拭いてオムツと肌着を着せてあげると、いつになく目をぱっちりと開けてキョロキョロする。私やお父さんの腕の中でも、落ち着いていてかわいい顔を見せてくれる。普段なかなかあえない分、こちらもじーっと見てしまう。話しかけるとこちらに目を向けるし、魂子が持ってきたパペットを目で追う。アー、ウーと声を出し、赤ちゃんらしい仕草を沢山見せてくれた。縦だっこをすると、びっくりしたように目をぱちくりさせる。体重3kg前後と、3ヶ月児平均よりうんと小さくても、この子なりに発達しているんだ。それだけでなくなんと、あやすと何回かにやっと笑ったようにも見えた!見間違いじゃないだろうかとおもったけれど、夫も魂子も「見た」という。ちなみにこんな感じだった。ほんとうに十四松みたいだったw


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もし見間違いじゃなかったら、嬉しいな。次回が楽しみ。妊娠発覚に始まり、つわりに悩まされ、順調だと言われていたところから一転18トリソミーの指摘、そして誕生と入院…ピーくんと濃密に過ごしたこの2017年最後のサプライズは、やはりピーくんがもたらしてくれた。

魂子はこの日、入浴前に目やにで汚れたピーくんの顔をふいてあげたり、面会中に似顔絵を描いて見せたりして、素敵なお姉ちゃんぶりを発揮していた。持って行ったこの100日記念の絵も、上手に塗ってくれた。


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 でも、もっともっとお手伝いしたいのにどうやったらうまくできるかわからなくなり、しまいには落ち込んでしまった。赤ちゃんとの関わり方は保育園で馴れているとはいえ、病気のあるピーくん相手だと勝手が違う。次は大人がよく見て、リードしてあげたい。

一方で、私は注入の手順や手技がまだまだ。

産後だからか老化なのか、記憶力が低下しているみたいで、なんども詰まったり間違えたり。もっときちんと頭に入れたい。いつかピーくんが、帰宅するときのために。

帰宅予定時間の少し前、それまで機嫌の良かったピーくんが、苦しみだした。顔色が良くなく、足がまだらに。そのため、呼吸器離脱は早めに切り上げて、元の病室で呼吸器を付けて落ち着かせることになった。相変わらず、呼吸器離脱の時間はなかなかのびない。残念だけれど、小さなピーくんに無理はさせたくなくてもどかしい。満ち足りた気持ちに、ぽたりと落ちたインク染みのようなほんの少しの不安を混ぜながら、私たちは病院を出た。「ピーくん、ばいばーい」と魂子が車から病棟に向かって手を振っていた。

その日の夜遅く、ひとりで搾乳の準備をしながらタブレットを操作していたら、アニメ「血界戦線」一期がAmazonビデオのプライム会員対象になっていることに気づいた。ついこの間まで二期を放送してたし、単行本でも何度も読んだけど、折角だから観ることにした。

第一話でクラウスは、自分をなにも出来ない臆病者だと言うレオに、こんな台詞をぶつける。

光に向かって一歩でも進もうとしている限り

人間の魂が真に敗北することなど断じてない

これが今になって、最初に読んだ時とは別の意味を持って、刺さったのだった。そして、大いに励まされたのだった。私の光、そしてピーくんの光。折れずにしなやかに、そこに向かって進めますように。

来年も、がんばろう。

 

 以下、余談

今年はこれが最後の投稿となります。はてなブログに引っ越しての再スタート、迷ったけれど思い切って行ってよかったです。またご縁がありましたら、来年もひとつよろしくお願い致します。

2017年12月28日の面会メモ(生後3ヶ月/99日)

午後にひとりで面会。ピーくんは午前中から目を開けていることが多く、採血の時にむずがったものの穏やかに過ごせていたとのこと。

この日はまずミルク注入の前に、病院の薬剤師さんから現在ピーくんが服用している薬についての説明を受けた。現在5種類。シロップ薬はそのまま、粉薬は白湯あるいはミルクで溶いてからシリンジで吸い上げ、胃まで通したチューブを使って投薬する。担当看護師さんから手順を教わり、実際にやってみた。シリンジで薬をゆっくりと流し込む時、勢いでぐいーっと押し込んでしまいそうで緊張した。私、基本的に雑な粗忽ものなので。そんな人間に、医療的ケアとかやっていけるんだろうか…と懸念する、小さな弱気の虫が心に住み着く今日このごろ。

その後は、ミルク注入の時間。注入用のボトルとチューブを高い位置からつるすようにセットし、ミルクをボトルに流し込んでから重力に任せて落としていく。チューブに付いている簡易バルブを調整することによって、ミルクの落ちるスピードをコントロールすることは可能だ。30分程度で落としきるのが理想なのだが、これがまた難しい。慣れなんだろうな。こんなふうに、退院準備の一環として手技の説明も始まった。でもいざとなったら教えてくれる人がいないと、心配だなあ…。最初のできない時よりも、できる気になり始めたあたりが危ない。ただ、どんなことでも最初は初めてなわけで、びびってやらないよりはむしろ率先して回数をこなすほうが、覚えは早い。頑張ろう。

注入が終わってからはボトルとチューブを洗い、吊して乾かしておく。この辺は搾乳後の後片付けとあまり変わらない。ピーくんのお腹が落ち着くのを待って、本日の呼吸器離脱開始。今日も泣いてしまう。だっこで落ち着かせようとしたが、なかなか泣き止まない。あやしたり、歌ったりと思いつく限りの対処をしてみる。そのうちに、ホイホイホイと縦だっこと横だっこを交互に繰り返すと「あれっ?」と言う顔をして、泣くのをやめた。

生後3ヶ月ともなると、だっこやベビーカーでお出かけする範囲が広がってくる頃だろう。けれどもこの子はまだ病室の外に出たことさえないし、基本はベッドの上で横になっているのみ。だから、こんな風に視点が変わるだけでも冒険なんだ…。そう思うと切なくなる。心配や不安はあるけれど、やはり一緒に暮らしてお外を見せてあげたい。散歩することで、日本の四季に触れさせてあげたい。

そのうち、またぐずぐずしだしたのでお風呂の準備をすることに。だっこをやめてベッドに戻すと、なんとあっさり泣き止んで穏やかになってしまった。あれれ、なんでだろう。暑がりピーくん、たまに密着してだっこをするといやがることがあるから、それが原因だったのかも。難しいなあ。入浴後は安定のコテン寝。実にあっさりしたものだった。

この翌日に、何とか生後100日を迎えたピーくん。いったいいつまで一緒にいられるのだろう。考えたってわからないから、この問いはひとまず保留する。不安と恐怖で目が曇って、その時のピーくんの輝きを見落とす訳には行かないのだ。何倍ものスピードで駆け抜けて行ってしまうかもしれないその一生のうちにあったこと、沢山の人たちに大事に思われていたんだってことを、私や家族がちゃんと覚えておいてあげたいから。