うららかびより

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家長のーごとき、チ、ン、タラっを〜、右からッ、左へと受け流すウウウウ〜♪

…なんていうムーディ勝山の微妙な歌が、東南アジアから聞こえてくるような試合を観てしまった。対カタール。皮膚の内側に入り込んでまとわりついて、根こそぎ体力を奪い人を無力化する暑さが、フィールド全体をすっぽり覆いかぶさって。どんよりした呪のようだった。
前半はおじいの志向するサッカーからしたら、面白いくらいにまったく逆パターンが展開されてしまい、もうあせるの何の。結局前半最大のハイライトは、カタール代表のあからさま過ぎて噴いたファウル→遠藤と俊輔、蹴るのはどっち?のへんだったような。あれも遠藤がいつもの遠藤らしいふかしで、期待を一瞬にて吹っ飛ばしてしまったわけですが。酷暑、そしてギリギリまでこなしてきたリーグ戦から引きずっている疲労。理由は考え付くけれど、まさかあそこまで走れないとは…。ただただ呆然とするだけの45分でした。俊輔、高原に旨くボールが渡れば…彼らをフォローできれば、と思う場面もあったけれど、とにかく体がついていけてなかった。なんつかねえ…とても悪い表現だけれど、代表の中の人がチンタラモードの家長みたいで、蜃気楼みたいなチームになってしまった。動かないと、ピッチがこれほど遠いものだとは。ただ、相手も引きすぎていたために、ろくに攻撃の手が打ててなかったのは救いでした。
しかし、後半になってからカタールのプレッシングがゆるゆるになったのには驚いた。オイオイマジで、チンタラが右から左へ受け流されちゃったよ!なんてボケてる場合ではない。彼らは土地柄、若干暑さに対する耐性があるんだろうな、って思っていたんですけどね。湿気を伴う暑さとなるとまた別だったのか。オシム監督の喝がストライクゾーンに入りでもしたのか、後半立ち上がりから高原君の先制ゴール、そして暫くのうちはかなりイニシアティブが握れていたと思います。カタールもようやく目覚めて攻撃モードへギアがあがったけれど、緊張感漂う守備が出来ていたと思う。
それだけに…あの同点ゴールは本当にもったいなかった。阿部君はちゃんとペナルティエリアの枠外だってわかっててあそこでガツンといったんだろうし、あそこで流れを切ってなかったらそのままセバスちゃん、いやセバスチャンが決めてた可能性は高い。まだFKにして挽回のチャンスを残しただけ、ましだったなと思います。それよりも頭にくるのが、壁の中に入ってたカタールの選手。うちの連中をどついて溝作ってんじゃねーよバーローですよ。リベリーノが壁をすり抜けるFKを打つときは、確か壁の中の味方がしゃがんでたんだぞ〜なんてあいまいな薀蓄を書いてもしょうがない。でもうっとこの壁も、いいようにどつかれるあたり気ぃゆるゆるだったのは悪い。ほんとうに、悔しい失点でした。カタールのコンディションが、いいとは思えなかっただけにね。彼らにしてみれば「ここで決められなかったら、わしら首くくらなアカン」ってくらい、唯一無二のチャンスだったでしょう。
山岸や羽生のシュートが決まっていれば勝てた→あいつらが悪い!って決めつけするのは簡単だけど、それ以上に一番やってはいけなかったことがある。それはやはり前半を無意味に消化してしまったこと。あれだけ試合の入り方が悪いと、作れる試合も作れない。後半もよくなりはしたけれど、切り替えが出来ている人と、前半のムードを引きずっている人とがはっきりと残酷なくらい分かれてしまったと思う。名指しして申し訳ないけれど、中村憲剛は、ほんとに残念な出来。慣れや、場数…そういったものは大事だと思います。次の試合、今日の分までがんばってほしい。
ガンバサポとして、気になるのは加地と橋本の具合。加地もまだ怪我から復帰して間もないのに結構削られてしまい、橋本は思いっきり足を踏まれましたしね。代表レベルでチームサポとしてのエゴを振りかざすのも、本当はよくないことだと思うんだけど、橋本のときは、本当に切れた。試合会場にいたら、ピッチに降りて32文ロケット砲でもぶちかまして、倒れたところをみぞおちめがけて蹴りまくってただろう、と思うくらい、切れましたよ(ちびっ子はまねしちゃダメだヨー)。国際試合につきものの汚い手だとはいえ、橋本も加地も、遠藤も、うちの選手。黙っておれませんよ。ま、代表を見ているときは、どこのチームの選手も「うちの選手」ですけどね。とにかく無事でいてくれ、頼むから。
あと、ちょっと身びいき入ってるかもしれないけど、なぜおじいがあれだけ、播戸の離脱を残念がったか、この試合で改めて思った。ギアをトップに入れる役目。しおしおになりかけた魂に再び火をつける役目、ハニューもらしさは出てたと思うけれど、播戸みたいにアジアの熱をねじ伏せて焼いて塩かけてバリバリ食うような無理やりさ、いざというときに組織の枠をぶっ壊して特攻できる強い意思。そういうのが本当に、今日はほしかったよな。
でもまじめな話、ああいう時間帯、しかも一点リードのタイトな展開で橋本が投入された事実がうれしかった。しっかり戦力としてみてもらってるんだって、じんときました。
まーた明日職場で、たまーにしか代表を見たり応援したりしない人が、「日本よわーい、ヘター」なんて言うんだろうなーって思うんですけど、それに対して反論するのもばかばかしいから黙って働くことにしますけど。こういう人間をぎゃふんと言わせてやってほしい。今回の代表だって、2004年の代表みたいに熱い試合が出来るポテンシャルを持ってる。羽生、山岸。今日は失敗しちゃったけど、この試合で数少ない光明もまた彼らから生まれた。ピッチの上の借りは、ピッチで返してほしい。
負けなかったのが、救い。後はまあ苦悩とか後悔とかいろいろあるだろうけど、そこらへんはうまいこと右から左へ受け流して次ですよ、次。オシムおじいも選手たちも、たまにはソリマチやクマーも、みんな応援してるからがんばって胸張って返ってこられるようにガンバレ。
しかしなんとも波乱含みのグループへ来てしまったもんだ。あれか、ガンバの連中が4人3人もいるから劇場体質が移っちゃったのか知らん。ウンガッフッフ。

参考リンク

ニッカン式スコア