うららかびより

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この想い出を この想い出を いつの日か包まん

国立帰りの電車からこんばんは。今日はクラブワールドカップの5位決定戦、オークランド対全北現代を見に行ってきました。
6時頃国立に着いたのですが、当日券(なんと前売りと同じ価格)は並ばずに買えてしまい、入ったら入ったでがらがら。覚悟はしていましたが…。

いろんなチームのサポーターがいました。かつて所属していた京都(全北にはイム・ユファンもいますしね)、仙台、湘南(というか彼がいた時代は平塚か)。桜や浦和も。オークランドのサポーターは、試合前から出来上がったおじさんがおおかった(笑)。
試合前のアップでは、「テルー」「がんばれー」とたくさんの声援が響いていました。
試合については…岩本輝雄引退試合であったということと、全北の2点目が素晴らしかったことくらいしか、書きたいことはないです。
フィジカルの強さが目立った初戦とは裏腹に、肉弾戦に至らぬ蹴り合い。寒いとはいえミスも多かった。お互いにゲームの流れを整えるような視野の広い選手を欠き、自らの身体能力と相手のミスに頼る展開。確かに、モチベーションの維持が難しい試合だったのではないかとは思います。しかし国際サッカー連盟主催の世界大会としては、なんとも残念でした。
これならばわざわざトーナメントにした意味がない。昔のトヨタカップに戻した方が、よいのでは。…でもそれじゃあ、ACL経由で世界にいくことができなくなってしまうか。ふう。
岩本輝雄は後半途中から出場。ただやはり、彼を生かすパサーがいないし、かといって自らゲームを作るタイプではないと思う。まだチームに合流してから5試合。やはり厳しかった。
彼にばかりキャーキャー言うのは失礼だと思うけど、ごめんねオークランドの人。虫がいい願いだけど、いいパス出してくれ。そう思ってもなかなか通じなかった。サポーターならチャントで選手を揺り動かせ!という場面もあったけれど…無理だったなあ。結局0対3。試合終了のホイッスルとともに、虚しさとため息が込み上げました。
試合後、全北の選手と交換した白いユニを着た岩本がメインスタンドからたくさん声援を浴びる姿をしみじみと観ていたら、驚くべき展開が(世界まるみえ調)。なんとそのまま彼は、ぐるりと場内を一周してくれたのです。シミスポが必死で抑えるのを物ともせず、集まった人たちが差し出す無数の手。それに対して、一つ一つ握手やハイタッチで答えてゆきます。若い頃の彼は、あまりそういうことをする人ではなかったと記憶しています。34歳になるまでに得た経験の重みや、かけがえのなさは、そうした態度からにじみ出るようで、ああいう試合の後でも、笑顔はキラキラと輝いていました。昔と同じようで、大人の柔らかさをたたえたそれを。はっきりした物言いは、変わってないのにな。花束や、タオル、プレゼントで片方の手はいっぱいでした。サポートチームの垣根を超えて、観客の半分くらいが残って、彼の姿を最後まで見送っていました。
ちゃんとした引退試合が、できたらよかったのにと思います。その場所で、名塚、名良橋、ベッチーニョ、小島、そして中田…あのときのベルマーレ平塚が、もう一度見たかった。
せめてこれからの人生、幸おおからんことを。長きにわたる競技生活、お疲れ様でした。