うららかびより

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どうしようもなく割り切れない理花さん

昨日はにんともかんとも電車の接続が悪く、帰ったのはハチクロアニメ版放送時刻にギリギリ間にあうくらいでした。殆どの行程で座れたからまだましでしたが、鹿嶋行き以来のしんどさでしたね。昼間ならまだ、景色を見るという楽しみでしたが、窓の外を見ても、目の前に展開されているのは寄せ集めても一万ドルクラスのほのぼのとした家庭の灯りばかり。それぞれの灯りの下に展開されている人生を想像してみるのも、それはそれで楽しいかもしれませんが、昨夜はそういう元気も余り無かったです。
ハチクロは、ようやく物語のもう一つの核である「切なさ」が見えてきました。やはりスイッチを押したのは、理花さんの登場でしたね。それによって照らし出されたのは、のは真山と山田の関係性。月の光のように淡いけれどしみじみとした現実を現す理花さんの存在によって、ほのぼのとした綿菓子みたいにふわふわの世界から、ヒリヒリするような痛みが見えて。森田先輩に対する山田の独白は、幾度と泣く漫画で読んだはずなのに、プロボクサーのボディブローのような強さと重さで持って心に襲い掛かってきました。自分という存在は自分だけの物のはずなのに、なんだってこう、心だけはコントロールしきれないのだろう?だからこそ面白いと感じる時もあるし、こういう時は物凄い厄介なんだ。
アニメ版ハチクロは、(スネオヘアーのエンディングテーマも含めて)作り手の作品に対する愛情や誠意というものをタップリ感じるので、多少のアニメ独特の臭みやクセがでているのも仕方ないと納得ずくで観ています。ただ、今回は理花さんのキャラクタ造形について多少疑問を感じました…。親和しやすいようで誰にも自分の核を見せない凛とした冷たさ。それこそが、彼女の役回りにおいて重要な所だし、話が転がるポイントなんですが…あのデザインではちょっと、人がよさそうに見えすぎる。うーんうーん…其処がなんだかとても残念です。