うららかびより

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ピッチャーびびってる

声による圧力は案外バカにはできないもんで、ピッチの上のボールに一切力を加えることが出来ないサポーターにとっては、勝たせるための有効な方策であることは間違いありません。
ただ、野次にも色々あります。政治とサッカーは過激に右寄りな方向で親和しやすいから切り離して考えたいし、生まれ育ちや身体的特徴をネタにそしるのは簡単だけれど、対象以外だったとしても聞いてる人間の心に要らぬしこりを残してしまうようで個人的に好きません。サポーターが選手を見下したらおしまいだし、過剰防衛みたいな感じもするのです。私論ですが。
自分の傷つかないところから、中途半端にイイコちゃん主義を気取るなボケ、って向きもあるでしょう。しかし少なくともスタジアムは、これ見よがしに人を傷つける場所ではないと思ってます。こちらが勝って喜ぶだけでも、必ず対岸の誰かは傷ついているわけだから。こういう見方は、センチメンタルにもほどがありますけどね。
ただ、聞いてて嫌な野次イヤイヤで思考が止まってたらいつまでも先に進まないしスタジアムがたるむのも事実なので、今度は自分が言うならどんな野次かなあと考えてみることにしました。
うーんうーんとしばらく考えてみて、なぜか頭にパーンと浮かんだのは、「ピッチャーびびってる!ヘイヘイヘイ!」でした。プロ野球を通り越して少年野球の領域だよ…(+。+)アチャー。しかしよくよく考えてみると、プレッシャーは意外にかけられるし、クスッと笑えてシャレで落とせて、割とバランスとれているかもしれないですな(ただし、言い方によりけり)。でもサッカー風にアレンジするとこれ、どうなるんだろう。キーパーに置き換えるのはまんますぎるからなあ。打っても打ってもシュートが入らない展開で「は、いるっかなは、いるっかな、はてはてふむー(いやムリー)」(もち、「できるかな」のテーマのパロディ)と歌ってみるとか…だめだ、しまらねー。
後、前からやってみたいなあと思ってるのは、相手の戦略的な弱みをハチのようにチクりとさしてみる野次。受ける側にしてみたら、「むかつくけど痛いところを突かれてしまった…」てなかんじで。プロ野球開幕時、千葉ロッテがポスターで「東北の春は遅い」などなど楽天を不敵に煽ってたあの感じとか。こちらの方がさながらボディブローのようにじわりじわりと利いてきそう(ただし耳にはいれば、の話)。即興で考えるのはとても頭を使いそうだけど、周りの人をどっと笑わせたら面白…ってしまった、これじゃあ相手へのプレッシャーになんない。一発芸になってしまうじゃないですか、アワアワ。
うーん、いまいち野次ってほんとに難しい。恐らく今一番、ピッチの上で野次を浴び続けているであろう男こと、エキセントリック中年ジョージに、アンケートを取ってみたい気分ですよ。でも若い内はクルヴァで狂い、年をとってメインスタンドの年間シートに引っ込んでも、必要とあらばスマートな野次を飛ばして援護射撃することを忘れない、歴戦の粋なオヤジが海外には沢山いそうだなあ。
書いてて思い出したけど、味方のケツたたくための野次というのもあるなあ。うーん、考え出したらきりがない。なんかハガキ職人的な心もくすぐられてしまいますよ(笑)。