うららかびより

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タイガー&ドラゴン「茶の湯」

不覚にも今回ようやく気付きましたが、松岡昌宏の溢れ出る妄想(「メントレ」や「DASH」を観ていると時々「奴はすごすぎる」と、妙に感心してしまう私がおります)を逆手に取った「マンハッタン・ラブストーリー」に続いて、尾美としのりが出演しているんですね。イボリーの男気にズキュンとやられた人間にとっては、嬉しいキャスティングです(笑)。
前回ラスト、蕎麦をツユなしで食しながら近鉄帽姿で現れた荒川良々にはビックリしましたが、まさか虎児のよきライバル(しかもたたずまいに反して妙に爽やかな…)となるとは。不覚にも、メグミに「かわいー」と抱きつかれて戸惑う姿にちょっとドキドキしてしまいましたわ。
今回の基となった落語「茶の湯」は知らなかったなあ。でもああいうトレンドセッターとかイベントプロデューサーとかいう、「名乗れば何でも肩書きになる」系の人って、ひところほどではないにせよ、裏原宿界隈にはゴロゴロいそう…と思うのは私が田舎者だからなのかどうなのか。メンノン界隈なんかを立ち読んで得た印象では、女子より男子の方が「○○×△△のコラボレイトアイテム!」「※※別注!」みたいなレッテルには弱いみたいだし、実際国内のカジュアル物でもブランド力が強いし値段が高くても売れてしまう(仕立てが良かったりするんだろうけど)。で、カリスマーな人が「これいい」と言ったら、それまで見向きもされなかった物の価値が跳ね上がる…そんな感じがしますね。誰もがカッコいいものを身に付けたい、それによって自分自身がカッコいい存在になりたい、っていう気持ちは有るし、それは悪いことじゃない。ただ、それを手助けするどころか、金儲けのネタにして人心をもてあそぶって言う行為はなんだかちょっと引いちゃいますな。
そんな本物気取りのパチモンちゃんに、竜二は丸め込まれそうに成るけれど、結局虎児同様自分のやり方でカウンターを食らわすことに。奴を締め上げる時の虎児の台詞、かっこよかったし胸がスカッとしました。私も生業ではないし金は貰ってないけれど、書く事と描く事には私なりのやり方で力を入れてやってるつもりです。ただ、やりたい事があるから結果的に努力をする事になるというだけなので、「努力している」「必死でやっている」こと自体を評価されたりするのはちょっと違和感を持ちます。そりゃその事をバカにはされたくないけれど、良かれ悪しかれ観るんだったら、「必死になってやった成果」の方を評価してくれ、と思いますね。先の見えない今だからこそ、自分の足で立ってるこの世界で、この腕で出来る事をやるしかないんだから。
「師匠!さゆりちゃんが泣いてますよ!」の辺りは笑いのツボジャストミートで、ゲラゲラわらってしまいました。自らも境遇も影響してお笑いのセンスがない、というところからスタートした虎児だったけれど、なかなか笑いの神に愛されつつあります。高座に上った時も、お客さんのリアクションから少しづつ成長している、ってことがわかります。それとも、バラエティ番組では箸が転がっても大爆笑している長瀬が、この世界では強面のヤクザでお笑いに真正面から取り組むっていうその構造もまた、面白さをさそっているのかも?ちょっと本筋の楽しみ方とはずれますけれど。一見して軽い佇まいだけれど、実は熱くてちゃんと自分の頭で考えている。そんな人たちが出てくるのも、クドカンドラマの好きなところです。
そしてやっぱり、師匠と虎児の喫茶店での金の受け渡しシーンはガチガチのベタベタで、どうなるかわかってんだけど、笑っちゃうんだなー(笑)。