うららかびより

家族のこと、趣味のこと、その他いろいろなこと

2017年12月21日の面会メモ(生後3ヶ月/92日)

  • 主治医の先生との面談があるため、この日は夫と二人で病院へ。NICU内でベッド移動があり、広いスペースへ移してもらっていた。荒れ狂っていた昨日と違い、ミルク注入を受けながらうとうととねんねしていた。横を向いて寝ていると、ふっくらしてきたほっぺが押しつぶされてお饅頭のようだ。
  • ただ、昨日からミルクの消化が良くなく、胃残が増えたそうで、一回のミルク量が若干減量されていた。採血や胃管交換などの処置が続き、ストレスが増したのか。昨日の不機嫌は、そうしたことも影響していたのだろうなあ。早く落ち着くといいけれど。
  • 忙しい中、先生が時間を作ってくれて、別室で担当看護師さんと臨床心理士さんも交えての面談。ピーくんの心不全は、ゆるゆると進行している。心臓が少し大きくなって、不整脈がみられるようになった。言われてみると面会時、モニタの波形が少しいつもと違うことがあったので、なるほどそれかと腑に落ちた。呼吸器離脱はあまり進んでいない。良くはなっていないし、若干悪い方に進行している、ということのようだ。
  • 生後90日を越えて大きくなってくれた小さな息子を応援したい。怖くて看取りの悲しみばかり考えていた時期もあったけれど、今はもう少し積極的な治療を行って欲しい…そういう気持ちの変化が出てきた。それを先生に伝えると、新たな提案があった。呼吸器離脱の進まない現状、それならば元気なうちに気管切開を行って、より早い退院を目指すという手もあると。ただし、気管切開すると覚えることも多いし、連れ帰ってからのケアが増える。生活がこれまでとはがらりと変わって、両親だけではやっていけないかもしれない。訪問看護や自治体などの様々な助けが必要。
  • うーん。即答は出来ず、考えてしまった。ピーくんの帰りを待っている魂子のために、家に連れ帰って一緒の時間を過ごすのは一番の目標だ。だけど、それによって魂子に負担がかかり、寂しい思いをさせてしまうかもしれない。私もいずれは退職を考えなければならないが、それによって我が家の財政はどうなる。これまでだって、二馬力でようやく廻してきたというのに。
  • 正直、呼吸器離脱は出来ると思っていたので、更なる厳しい選択が現れたことで私たちはカチコチに固まってしまった。先生は全然高圧的なんかじゃないのに、頭の中が真っ白で、これからどうなるのか、どうしたらいいのか全然わからなくなってしまった。財力も決断力もなく積んでるなんて、なんて使えない親なんだ。ピーくん、こんな二人のところに生まれて来ちゃってごめんね。これまでの人生何してたんだよ私。これじゃあ、生きてる意味がない。自分に対しては絶望しかなかった。
  • でも、面談後にピーくんが私たちの心を溶かしてくれた。呼吸器離脱を始めていたのだが、酸素を鼻にふんわり流されているだけでもおだやかに、頑張ってない感じでそこにいた。夫がお風呂に入れると、目を輝かせて見つめていた。アッ、ウッと声がでるようになった。穏やかに夫の手に身を任せていた。どこまでも、ふつうのかわいい赤ちゃんだった。ただもうひたすらに、シャッターを切った。いつまで続くか誰にも分からない、明日にも急に終わるかもしれないピーくんの暮らしを、焼き付けておくために。今そばにいる私たちが、ちゃんと覚えておかなくては。ピーくんの命が続くかぎり、守らなくては。
  • 考え抜いて答えを出すために、足りない頭を補ってもらうために、いろいろな人の話を聞くことにする。本当は、あまり迷ってる時間はないのだけれど。こうした嵐が過ぎ去って、ピーくん今日もかわいいねえと家族で猫可愛がりできる、そんな日を引き寄せたい。引き寄せるのだ。

2017年12月20日の面会メモ(生後3ヶ月/91日)

  • この日で生後3ヶ月。午後からカーチャンがソロ面会。しかし、この日はすやすやねんねより、不機嫌にプンプンしてることが多かった。赤ちゃんは喋らないけど、泣き声や喃語にちゃんと感情を込めてくる。もうかんかんなのが、私にもわかる。担当看護師さんにお聞きしたところ、朝に採血してからずっとこんな感じで、朝のミルク注入も遅れてしまったそうで。痛いの嫌だったんだねえ。頑張ったね。
  • ここは一つ母のだっこでなだめてみるか、と試みたものの、そんな単純には解決せず。怒って泣くと腹に力が入るからか、ブブー!ブリブリ~とまた容赦なく出ちゃうもんだから、かなり手を焼きながらの対応だった。しかし、甘えたり怒るピーくんと関わり、何がツボなのか探るのもまた、離れている時間が多い私たち親子にとっては貴重なひとときなのだ。…なんてなだめているうちに帰りの時間*1がきてしまい、大好きなお風呂に入れてあげられなかった。とほほ。でも、病気と戦っているんだから、いつもニコニコ元気ってわけにもいかないよね。原因は寝ぐずりと●オムツの気持ち悪さのコンボだったらしく、最後に解決できたのは、せめてもの救いだった。
  • 体重は、オムツ着用で3,022g。これは大台に乗ったと見て良いかな。順調に増えております。
  • 魂子をお迎えした後、家で私が描きかけていた3ヶ月お祝いイラストを2人で仕上げることになった。魂子からの申し出で、なんだかうれしくなってしまった。助けを借りてようやく完成したので、クリスマスイブにあげる予定。気に入ってくれるといいな。

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*1:魂子のお迎えのため、滞在時間のリミットがある

2017年12月18日の面会メモ(生後2ヶ月/89日)

  • この日は、カーチャンのソロ面会。病室を訪れるとちょうどミルクの注入中で、うとうとと半目をあけてねんねしていた。トントンと背中を叩いてあげると、時々体をもそもそと動かして、とても気持ちよさそう。この子の体内で荒れ狂っているだろう数々の先天性疾患を思うと、穏やかに過ごす姿も…何というか、尊い
  • 出産前からついていてくれている担当看護師さんと、久しぶりに会う。最近NICUで会わないなあと思っていたら、夜勤が続いていたそうだ。いつもピーくんだけでなく、私たち家族のことを気にかけていただいている。今日もピーくんが落ち着いている間に、相談室で様々な話をした。
  • ピーくんのベッドに戻ると、呼吸器離脱直後で不機嫌になってしまったようで、看護師さんたちにだっこしてあやしてもらっていた。普段寝ているからか、体勢を変えて縦抱きになると落ち着いたそうだ。魂子もそうだった。顔だけじゃなく、いろいろなところにつながりを感じさせる2人。
  • 私がだっこを交代すると、トホホなことにまたかんかんに怒ってべそべそと泣き出した。おむつを替えても、歌を歌っても、トントンしてもダメ。積んだ。いちかばちかで、大好きなお風呂に入れてみると、ほわわわわ~んと、それまでとげとげしかった表情が面白いように溶けてゆく。成功だ。バスタオルで押しぶきをし、オムツと肌着をつけてあげたら、半目かつ白目でコテーンと寝てしまった。寝ぐずりだったのかもしれないなあ。
  • 18トリソミーの中でも、男の子は女の子より更に、平均寿命が短いとされている。だから最初は1、2ヶ月でさよならも覚悟していた。怖くて、名前と写真の入った年賀状を注文する勇気がなかなかでなかったし、おしりふきの箱買いもできなかった*1。後者はちょっとビビりすぎというか、せこいかもしれないけど…。でも、ピーくんは今日も生きている。20日には生後3ヶ月を迎える。とても頑張っている。だから、思い切ってキヨミズすることにした。子供が産まれました仕様の年賀状をポチったし、いつでも病院に持っていけるようにアカチャンホンポでおしりふきを1箱買った。臨戦態勢ばっちり…というにはまだまだだけど。生きたいだけ生きて欲しい。今までも、これからも沢山のことを両親が決めてしまうことになるけれど、自らの生きたいという望みを、どうか全うできるように。願っているし、応援する。

*1:おむつ、おしりふきなどの衛生用品は家族が持ち込むきまりなのです

ばっさり行ったり、バリバリ書いたり

今週のお題「今年中にやっておきたいこと」に答えます。

髪の毛を切りたい!

確か最後に切ったのは、去年の夏でした。ひええ。そこから何となくのばしていたところ、年明けに妊娠がわかりました。それ以降はつわりや巨大化するお腹に悩まされて、なかなか行く踏ん切りが付かないまま、今に至ります。ベロンベロンに伸びていて、正直かっこ悪いのです。
来年2018年は、魂子が小学校に入学しますし、ピーくんは闘病生活を続けるでしょう。バックアップするこちらも、しっかり構えて物事を受け止めていきたい。卒園式や入学式もあります。ピシッとせねば。
なので、まずは形から…と、髪の毛をバッサリ短くしたいと思うようになりました。まずはいい方向に、一歩踏み出せるといいな。

年賀状を投函したい!

先日ようやく来年の年賀状をネットで発注しまして、到着予定日は今週金曜日の22日。宛名と個人別のコメントは、毎年手書きしています。今週は魂子の誕生日やクリスマスなどのイベントもあるし、確実に元日に届くリミットの25日は無理としても、大晦日までには何とか…。
実は、今年はダラダラしてたら正月休みが終わっても書き上がらないという、だめっぷりでした。来年は下記のように年賀ハガキの料金問題があるので、集中して終わらせたいところです。
年賀はがきの郵便料金について - 日本郵便

そんなこんなで

巷はクリスマスをすぎると、急に年の瀬っぽい雰囲気になるんだろうな。年末、そして正月に向かっていくこの時期の雰囲気、実は好きなんです。町がそわそわ、わくわくする感じ。それに当てられてしまいます。
今年はうれしいことに、ピーくんという家族が増えました。そして、そこからは激動の日々でした。乗り越えることは、出来たのかな。いや、きっとずっと、様々な感情を抱えたままで行くのでしょう。来年も、いろいろあるのだろうな。それでも、一つでも良いことがあるように。大事な人のために、働けるように。

2017年12月17日の面会メモ(生後2ヶ月/88日)

  • 週一恒例の家族面会日だったが、お父さんが激務で疲労困憊のため、今回は私と魂子の2人で向かった。電車とバスを乗り継いでの往復、飽きてだだをこねるかなあと思いきや、そうでもなく。我慢してくれていたのかもなあ。帰り、最寄り駅に着くなり甘えん坊スイッチが入ったから。
  • ピーくん、本日も穏やか。α6000をすっかりお気に召した魂子に激写されまくるものの*1、マイペースでうとうとしながら白目を剥いたりアーウー言ったりしていた。悟りきっているかのように泰然としている。大物wもともと、泣くと心臓に負担が掛かるため、眠たくなる薬を投与してもらっている。それでも不機嫌になることはあるので、今日みたいな日は安心だ。呼吸器離脱中でも変わらず、アラームも鳴らなかった。よきかなよきかな。
  • 唯一目がらんらんと光輝いたのは、やはり入浴時だった。こうも喜びを全身から発散してくれると、私ってば沐浴免許皆伝できるんじゃね?と勘違いしてしまう勢いである。
  • 魂子は少しずつNICU内の雰囲気に慣れてきたようで、当直の先生や看護師さんに話しかけられても、きちんと受け答えできるようになってきた。最初はなにを言われても怖がって固まっていたのだから、良い意味で変わったなあと思う。先週の帰り道も、初めて自分から「らいしゅうも、ピーくんにあいたい」と言ってくれた。
  • 魂子もピーくんも、どちらも大事な子供。どちらかのためにもう1人が犠牲になるような選択は、絶対すまいと心に決めていた。だから、こちらが強制せずとも少しずつ、姉弟の絆が深まっていくのはとても喜ばしいことだ。
  • ピーくん、無事に新年を迎えられると信じているよ。

*1:なんせ軽いので、5歳児でも取り回ししやすいできる子である

魂子、ぐらぐらし始めた歯に困惑する

先日、魂子の仕上げ磨きをしている時、ふと気づいたことがありました。下の前歯のうち一本だけ、歯ブラシを当てると少しぐらぐらします。もうすぐ6歳の魂子、これはひょっとして、生え替わりが始まったのでは。ついにか!ついにきたか!

すこし興奮気味で魂子に確認すると、「きじゅいてたけど、こわくていえなかった…」。あれれ、なんでまたそんな発想に。「はいしゃしゃんに、いかなきゃだめかなあ…」これまで虫歯もなく、歯科医院に縁のなかった魂子。どうやら行くのが怖くて、黙っていたようです。

子供の頃の私は、歯がぐらぐらする度に気になっていじり回して、最後には自分でむしり取って流血させていましたね…。それに対して、石橋を叩いて叩いて、結局怖くて渡らないこともある魂子はよく言えば慎重、悪く言うとびびり。まず最初の一本が抜けるまでが順調なら、後は大丈夫じゃないかなあ。長いこと抜けなければ受診も考えるけれど、とりあえず今は様子見です。

そういえば、「甘々と稲妻」8巻にも似たようなエピソードがありました。ぐらぐらしてきた歯を虫歯になったと勘違いして、不安を感じていたつむぎちゃん、魂子と重なります。また読み返してみようかな。

 

 

2017年12月15日の面会メモ(生後86日)

  • 病室に着くと、お鼻に呼吸器を着けたまますやすやとねんね。おむつが大小で濡れていたので、取り替えてからだっこを試みる。昨日はグズグズ多めだったのに、今日は終始穏やかだった。なんと、おむつ替え時におしっこブシャーをしなかった!いつ以来だろう…。だっこの時は特大の音で「ブブー、ブリブリブリブリー!」と2回目の●をかましてくれたものの、昨日に比べるとまるで賢者。だからといって昨日が阿呆だったわけではないけどw
  • ミルクの注入が終わって落ち着いてからは、呼吸器離脱の時間。鼻に圧をかけて空気と酸素を送り込む呼吸器から、カニューレで酸素をふんわり流すだけのアシストに切り替わる。この離脱時間が延びることで、退院に近づくのだ。最初こそカニューレが鼻に入るだけで嫌がったが、取り替えたらやはり穏やか。鼻に入る部分、少し汚れていたのが嫌だった?腕の中でスヤスヤねんねし始めた。なんてかわいいんだろうなあ。ずっと一緒にいたかった。
  • お風呂の前に、はだかんぼで体重測定。2,914g。夢の3,000g突破が見えてきた。流石に貫禄の二重顎。髪の毛はますます和田勉化が進行している。お風呂に入れるとふわふわの猫っ毛がペッチャンコになり、重役風味になるなど、実にいろいろな顔を見せてくれる。顔のつくりは、有名人では小堺さんが一番似ていると思う。
  • 看護師さん曰わく、穏やかな日と難しい日が交互に来る傾向があるようだ。言われてみると…納得。自己主張は発達の現れで、戸惑うこともあるけれど何だかんだで嬉しい。これも二人目の余裕なのかもしれない。
  • それにしても。私たちは短命だと言われているピーくんの秘めたる望みを今後どれだけ理解し、かなえてあげられるのだろうか。安全な病室で、呼吸器と流されてくる酸素の助けを借りないと生きられないピーくんを見ていると、「生きている」ことと「生かされている」ことの違いについて、ふと考えてしまって堂々巡りにはまることがある。もっとわがまま言ってもいい。泣いて困らされたっていい。それでピーくんの望み、願いに少しでも近づけたらそれでいい。一緒にいる間に、生まれてきたことを少しでも、幸せだと思ったもらえたら、それでいい。そのために、老い始めた頭をフル回転して、私は頑張るよ。応援するよピーくん。