うららかびより

家族のこと、趣味のこと、その他いろいろなこと

絶望などという甘味に舌鼓を打っている場合ではないの巻

今日は、職場で軽く切れてしまった。久々のことだ。
2ヶ月前から入ってきた、年上の派遣さん。私が派遣時代に取り組んできた仕事を引継ぎすることになったのだけれど、少し不注意というかルーズというか。数字をきっちりあわせなきゃいけない仕事なのに、帳簿上の数値が合わなくても気にしない。年の功か、人当たりはいいのだけれど、それでやんわりと丸くおさめようとするタイプのようです。
そりゃあ、引き継いだばかりでなれない仕事では、多少のミスもあるのはわかる。でも、数日前に指摘したところと同じ間違いをそのまま繰り返してる。それでも謝ってくれれば、こちらもほてった感情をすんと胃の腑に流して溶かしてしまえるのに…最近多いなあ。こういうときに笑って、がんとして謝ってくれない人。やわらかいようで、かたくな。私はこういう態度の人が、一番苦手で、それでカッチーン!と来てしまったわけです。必死で暴れ狂う気持ちを、体の内側にとどめつつも。
で、ただ修正するだけでは身につかないだろうと思って、戸棚の下のほうの引き出しから資料を取ろうと探していたら、ちょうど影になるように覆いかぶさってくる。暗くて見えないのに、またイライラ。で、ついうっかりポロリと出たのがこの一言。
「すみません、あっち行っててください」
ああ、われながら冷たい言い方をしてしまったなあ…。語気はかろうじて荒げないでおけたけど、これじゃ相手も少しカチンと来たかも。なんだかこっちが、自己嫌悪です。経理みたいな穏やかな職場で、よりによって一番出しちゃいけない感情なのに。私はこんなことをするために、一日の半分をここで過ごしてるわけじゃないのに。
自分の仕事に誇りと責任をもって取り組めないのは、大人ではなくて単に選挙権を持っている大きな子供。正社員になったんだし、しゃんとしなきゃ。仕事もかなり増えたから覚えなきゃ。もうすぐ資格試験だから、勉強をがんばらなきゃ。毎日毎日数字と“must”に追われて、いや、正確には自分を追い込んで、気持ちをギリギリがけっぷちまで追い詰めたのは、私。余裕があればナントカ受け流せて、生み出しもしなかった怒りを、獰猛な蛇の下みたいにシュッと突き出してしまったのは、私。彼女には腹が立ったけれど、彼女を感情の捌け口にしてしまった私にも、腹が立つ。いやらしい。モヤモヤとした帰り道。
そんなときにふっと思い出したのは、「そろそろ文庫版“ROOKIES”の続きがでるころだな」ということ。本屋に寄り道して、出て間もない3巻と4巻を買いました。(読んでない人以外にはわからない話でごめんなさいですが)野球部と用賀第一との練習試合、漫画の世界で起こっていることなのに、すごくどきどきしました。そして、救われた。感情をストレートにぶつける場所があるというのは、ステキなこと。私は誰にでもいい顔をしようとしすぎて、そんな当たり前のことが出来てなかった。すぐ溜め込んで、ふとした表紙に当り散らして、気がついたら周りにみんないなくなってる。いつも、微妙に45度斜め後ろむき。川藤先生の前向きさが、すごくまぶしい。こんな先生が、全国の学校にいたらな。森田まさのりの漫画には、いつもブルーハーツ、というかヒロトマーシーみたいな強くてきもちいい風が吹いているんだ。望みが最後の1ミリグラムさえも枯れ果てるまでは、はいつくばって踏ん張って、生きていたい。そう思える気持ちよさ。
やっぱりオタクは漫画で癒される、ってことなんでしょうか。いや、漫画だからじゃなくて、このお話が、こうだからなんだな。よいものは、よい。ただ表現の仕方に、いろいろとあるだけで。
明日もがんばろう。