うららかびより

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映画「オフサイド・ガールズ」観たヨー【多分ネタバレなし】

結局日本代表のオーストリア戦は、疲れてテレビ観戦を断念。ほぼ引き分けなPK負けか、うーん。アジアカップで足りてるとこよりも足りてないところが洗いざらい露呈した今、強化委員会には目先の勝敗に目くじら立てるよりも、試合内容を細かく吟味して、おじいさんにツッコミ入れることを忘れないで欲しいのですが、実際は如何。
それはさておき、本題へ。一部サカヲタの間で話題のイラン映画オフサイド・ガールズ」を、本日日比谷シャンテシネまで見に行ってきました。ここの劇場に足を運ぶのは「笑の大学」以来ですけど、こぢんまりとして観やすくてよかったッス。
実はイランでは、女性がスタジアム観戦することは禁じられているそうです。汚いやじを聴かせたり、男女が肩を並べて座るのがよろしくない、という理由で。道理で中継のときも、見かけないわけです。しかし日本戦では、日本人女性サポーターも普通に応援しているのですよね…なんだかおかしな話ではないですか。それに、サッカーやおらが代表を応援する気持ちに男も女もあかんぼもじいさんもありません。だったら男装してでも乗り込んじゃうよ〜、とスタジアムに集った女子たちと、彼女らを取り締まる兵士たちのやり取りを描いたのが、この映画です。2005年のアジア最終予選、イランがワールドカップドイツ大会への出場をきめたホームのバーレーン戦を舞台としています。
サッカーが題材とはいえ所謂サッカー映画とは少し趣が違い、イランというかイスラム教圏での女性差別にさりげなく突っ込みをいれてます。しかし憲兵じじいのごとき押し付けがましさはなし。兵士の間抜けぶりや物怖じしない女の子たちをコミカルに描くことで、「こんなに馬鹿馬鹿しいことがパブリックな常識としてまかり通ってるんだけど、どう思う?」 と観てる人間に問いかけてくる内容です。メレンゲのように軽くくちどけのよいユーモアにくるまれているから、ちょうどよく飲み込めるのですよね。
もちろんイラン対バーレーンの展開を覚えてるひとは、より楽しめるとおもいますよ。アリ・ダエイマハダビキア*1、アジジ、ザンディ…知ってる選手が、名前だけですけどたくさんでてくるし、お馴染みアザディスタジアムのいろんなとこがうつります。くりぃむしちゅーの有田に似てるアリ・カリミは、意外な形で登場してました(笑)。
また、試合後の花火だの爆竹だの乱れ飛ぶお祭り騒ぎも描かれるのですが、それを観てるとガンバが優勝した日のことが思い出されて、ぐっときます。どしゃめしゃに降ってくる喜びに心地よく溺れる人たちの微笑ましさは、万国共通なんですねえ(しみじみ)。しかしガンバスからサポーターを激写する大黒の姿が、真っ先に頭に浮かんだのはなぜだ(笑)。
ちなみにシャンテシネでは、今のところ21日までの上映のよう。電子チケットぴあのプレオーダーシート売り出し期間が、この日までなんです。見に行く方はご注意!大阪でも梅田のOS名画座というところで今日から上映されてるそう。要チェックやで。
あと最後に、個人的にうけたところを挙げておきます。やや田中マルクス闘莉王似の、オトボケ兵士が出てくるんですよ。そやつが活躍(?)するスタジアム内トイレのシーンなどは、もう…腹抱えて笑いました。女性差別のこっけいさを一番現しているシーンでもあるので、必見です。
しかしパンフレットによると、この映画は未だにイランでは公開されていないようです。イランの社会のまさに、そこにある問題を描いているとの理由で。宗教的な思想も絡んできますし、私自身もあまり知識を持ってないので建設的なことはあまり書けないのですけど…同じアジアの出来事です。わからないものをわかろうと踏み込んで行くことが大事かと思います。
というわけで、J中断で暇な人に力いっぱい勧めておきますです。

追記【 7/ 9/ 8 23:07:48】

オフサイド・ガールズ公式サイト→ http://www.espace-sarou.co.jp/offside/
上映される映画館や物語の背景についての解説など、情報が盛りだくさんです。

*1:また高原とチームメイトになったんですね。縁があるなあ。稲本もよろしく〜