うららかびより

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よしながふみ初の青年誌連載、「きのう何食べた?」

が、本日発売の週刊漫画誌「モーニング」で始まるというので、仕事帰りに本屋で買ってきました。青年誌らしからぬ表紙で一瞬気づかなかったです。でもなんか、とっておきたくなるようないい雰囲気。「エレキング」のイラストが、妙にシンクロしていて面白い。この雑誌を買うのは、かの『プラネテス』が連載されていたとき以来です。
女性向け漫画をずっと描いてきた人が青年誌に転向するときって、「青年誌だから書けること」をぐっと追求するあまり、色恋度と反比例してやけにハードボイルドやコメディに振り切れたりする場合がままあります。もとから面白い人は、どこで何を描いても面白いのだけど、その微妙な変化が時々ファンにはつらくもある。よしながふみはどう「化ける」のだろう。そう思って、ページをめくってみて…いい意味であれー?と裏切られました。
一件普通そうで、しかしちょっと踏み込むと妙にねじれが利いていて、それでいてかさぶたをはがした直後のような生々しきひりつきと、鼻の奥がツーンとくるようなほのかな悲哀が、群像劇の向こうからほんのりと嗅ぎ取れる…いつものよしながふみじゃん!ゲイの人も出てくるし!覚えたての変化球でズバンと意表をつくのではなく、素っ裸かつ土足のまま(ってビジュアル化すると単なる変人ですけど…)でのっしのっしとやってきたわけですよ。うひー、男らしい。素敵。
しかしお話自体は、状況および登場人物の説明に終始。ただ、調理に関する執拗な描写に「愛がなくても喰ってゆけます。」を思い出してみたりして。もう終わり!?正直、これは食べたりない。もっと食べたい。これであと1ヶ月*1、待たなきゃいけないのか…。単行本が出るまで待つかと思ってたんですけど、こりゃ次も買ってしまいそう…と思って次のページを見たら、「専務 島耕作」でびっくりしました(笑)。あまりにも世界が違いすぎる。この並びはネタかと。

おまけ:綱本将也ツジトモ"GIANT KILLING"

ついでに、一部でうわさの"GIANT KILLING"も読んでみましたが、コレは面白い。いままでサッカー漫画はプレイヤー視点のものばかりだったから、新鮮。サカつく好き/立身出世好きの日本人のこころを絶妙に満たすお話ではないかと。もうだいぶ進んでいるようなので、単行本が出たら買いますよ。

*1:この連載は月イチ展開。青年誌ならではの形態ですね