うららかびより

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泣き濡れ霜降る熊本の夜

U22日本代表対U22アメリカ代表(熊本)
一番最後に、国際試合でスカッと爽快な気分になれたのは、何年のどことの試合だっただろう。「今回は久々の召集だったし、また練習の中で連携を成熟させていったらいい」「本番でできればいい」と心の中で言い訳を探しながら、国際試合の後にモヤモヤした気持ちを無理に隅っこのほうへ押しやるようになったのは、いつからだろう。「日本」と「代表」の間に、「煮え切らない」という文字をこっそり挿入させてしまいたい。日本人が日本代表を応援しなかったら、いったい誰がするのさと、思いはするのだけれども。
「かわいそうなのでここでネタばらし」「実はこのピッチに立っている選手すべてが仕掛け人」というテロップとともに鮮やかなオチがついたなら、ほっと胸をなでおろすとともに、真っ赤な顔をして熊本までソリマチに対して、コブラツイストをかけに行くのだった、となるのだけどなあ…ってすみません、「世界まる見え!テレビ特捜部」の見すぎです。
なんかなあ、面子が変わっても反町アルビレックスみたいなサッカーをするのだな、って思ったけれど、点を取るために彼らが志向するものがいまだに掴めない。早く前にボールを出す。それ以上でも、それ以下でもなく。そりゃあいいチームを作るにはクラブチームでも、2年や3年かかるわけで、代表監督はおいしいところをつまみ食いできそうでいてもその点実にタイトな条件で勝負をかける必要に迫られてる。それはわかる。わかるんだけどさあ。ゴールの前で考えすぎなやつと、何も考えてないだろといいたいやつと。とはいえ、代表合宿で田中マルクス闘莉王が「点取れヨー」と怒ったみたいに、ここ数年の国際舞台はテクニックとダイナミズムのデフレーションが続いてる。
ソリマチー、播戸播戸!何度こういいたくなったことか。そりゃ彼の足元も(前よりはかなり改善されたものの)かなりアレでナニだが、少なくともこの日熊本でゴール前にいた連中よりは、ゲームを動かす力を持っている。はず。
さて、われらは家長はというと、フェイント一発で空気を青と黒に染め上げるところから、試合後にはピッチの上をチンタラチンタラ歩いているあまり、きちんと挨拶の列に戻ることができなかったお留守振りも含めて、正しく家長であり、いい昭博っぷりだった。前があてにならないならいっそミドルからずばんと!決めてほしかったけれど、それは次こそ頼みます。ところでイヤーブック冒頭のスーツ姿のあの後ろ髪、誰も注意しなかったのはあれですか、おいしいところをわざと残しておいたのですか。流れを変える切り札として家長をベンチにおいておきたい意向を、ソリマチは持っているのかもしれないけれど、流れどころかスタートもきっちり切れない今の状態では、そんな贅沢も言っていられないんではないだろうか。ひょっとしたらゼロックス杯のために気を使ってくれたのかも知れないけれど、このチームから家長がいなくなったらと思うと…。自分が応援しているクラブの選手だからって贔屓目に見るのは嫌いだけれど、そういうの抜きにしても今宵の家長は、一縷の望みを是が非でも託したくなるようなきらめきを放っていたと思う。
戦術のトレンドから遠い極東のこの僻地で、遅れまいと必死に踏ん張ってモダンなサッカーを目指すには、かの地の人たちよりもうんと体を動かして、頭も使い切る必要がある。親善試合でできないことは、本番でだってできない。「いつかきっと」の「いつか」が、ほんとうにくるとは限らない。この4年で散々痛い思いして、手に入れた教訓は、これだった。あと一週間。さて、どう落とし前をつけてくれるのか。
欧州の本場サポちゃんたちは、俺のクラブ>>>>>>>代表だったりするのかもしれないけれど、そんなの知るか。自分たちのクラブがどんなにいい方向に向かっていたって、代表が弱くて、サッカーをろくに愛してもいない人間に4年に一度バカにされるのって、悔しいしさびしい。南アフリカでガーンとリベンジかますには、あの熊本の子供たちの力が必要だ。だから、水曜日は国立にいこうと思います。家長も気になるし、サポにできることは、応援しかないから。はたから見ていたら単なる自己満で、共同幻想で、依存症なのかもしれないけど、それでもやっぱりね。ピッチの上に集まった人の気持ちと、選手の気持ちがリンクして起こる奇跡。それをいつまでも見ていたいし、信じていたいんです。
あれま、「信じて痛いんです」って変換されちゃった。もっと理性という名のおっとり刀でもってフットボールに切れ込んで行きたいのに、結局感情に流されてしまうヨワイイキモノです。結局何で見てるかって言うと「好きだから」。だからなんだろうな。もっともっと、勉強します。

以下余談:今日のよしなしごと

今日はハケン契約の更新のため、営業担当ちゃんが会社に来た。ちょっとたれ目で小動物系の美人。こんな細腕で何件もクライアントを抱え、「ハケンの品格」のヤスケンがごとくタフな仕事をこなすのは大変なんだろうなあ…と思いながら契約書にサイン。と、ここで彼女が一言。
「ではここに印鑑をお願いします。シャチホコでも構いませんので…」
ちょ…!それを言うならシャチハタ…!思わず固まってしまった私。ここは突っ込むべきか面白いリアクションを返すべきか、はたまた「今の発言をテープにとったので、返してほしくば時給を100円上げろ」と吹っかけるべきか…!とばかばかしく悩んでいるうちに、結局なにも面白いことがいえぬ始末。それどころか、あまりにも笑のつぼだったので、激しく暴れまくる横隔膜をなだめるのにかなりの体力を使ってしまった…。午前中だったのに、終業1時間前と同じくらいの体力ゲージに…トホホ。
大人って、むずかしいですね。いろいろと。