うららかびより

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2018年1月17日の面会メモ(生後3ヶ月/119日)

1日休んでから、ひとりで面会。目をきょろっとさせて、お出迎えしてくれた。ちょうど投薬と注入の時間だったので、看護師さんの代わりにさせてもらう。記憶力の減退を実感する今日この頃だが、繰り返して行くうちに少しは手際が良くなってきた気がする。

ただ、苦手な手技がひとつだけある。注入を始める前に、栄養摂取のためのマーゲンチューブがちゃんと胃まで達しているか確かめるため、シリンジで少量の空気を押込む。お腹のあたりで耳を澄まし、わずかに「ポコッ」と音がしたら、押し込んだ空気が出てきた証拠なので合格。ただ、NICU内は機械音、アラーム音が常に鳴っていて*1、この音が聞き取りにくいのだ。単に、加齢で耳が遠くなっている可能性もあるのだが。とほほ。耳掃除、念入りにやっとこうか。

そんなこんなで、注入を開始した。やや高めの位置から吊るした容器から、重力にしたがってミルクが細いチューブを流れていき、ピーくんのお腹まで到達する。注入中は動かさないで、安静にさせる。だっこをすることもあるけれど、この日は熱があったので冷やし枕を使ってベッドに寝かせていた。頭をなでなでして、たくさん話しかける。やれ外は雨だとか、お姉ちゃんは保育園で元気に遊んでいる、とか。どこまで伝わっているかわからないけど、少しでも刺激になればいい。

注入が終わって私が注入用容器を洗っている間に、担当看護師さんが呼吸器離脱の準備をしてくれた。最近は5時間離脱も出来るようになってきたので、主治医の先生からは「余裕があれば6時間まで伸ばしていい」と指示を受けているとのこと。すごいなあ、ピーくん。小さな体で頑張っている。息子の成長に勇気付けられる。

離脱開始直後は少し泣いてしまったが、やがて慣れてくると、うとうとしてきた。昼間の薬の中に、心臓に負担をかけないよう眠くなる効果のものが入っているからだ。背中をとんとんと叩いてあげると、目がとろんとしてますます眠そうに…。でも、寝たかと思ったら10分くらいで目覚めたりして、この日は覚醒とまどろみの間をいったり来たり。でも苦しそうではなかったので、安心だった。

ピーくんは口からよくぶくぶくと分泌物を出す。口中に多いときは看護師さんに吸引してもらう。それが唇や口角で固まるとなかなか取れないので、濡れコットンでふやかしてから拭き取ることになる。この日も、唇の上下に固まりがついているのに気づいたので、うとうとしている間に拭き取ろうとしたら…ペチッと手の甲に何かあたった。ピーくんの手だ。たまたまかなと思ったら、何度も当たる。拭くのをやめるとおさまった。しかし、再開するとまた当たる…。

やがてわかった。多分、これはピーくんなりのささやかな抵抗。だだっ子パンチだったのだ。濡れコットンは冷たいから、ぐいぐい拭かれるのが嫌だったのかもしれない。そりゃあ、いいことばかりじゃないよね。これは小さな息子に芽生えた感情の発露。そう思うとふにゃふにゃしたネコパンチ攻撃すらいとおしい。この日はだだっ子パンチ記念日として、胸に刻んでおくことにする。固まりはガッツリ拭き取ったけども。

このほかに、熊のおもちゃであやそうとしたときも、腕をブンブン振っていた。お手ての使い方、めきめき上達している。時々グーの手をあわせていることもあるが、にぎにぎはしないので、ハンドリガードはもう少し先の話になりそうだ。

一方、お風呂では久しぶりに泣かせてしまった。洗っているときに何度も酸素を流すカニューレがずれてしまい、それがとても嫌だったようだ。怒って泣いてしまったが、タオルにくるんで押しぶきすると、いつものほっこりピーくんに戻ったのだった。

離脱時間が長かったので、途中で帰る時間になり、後ろ髪引かれる思いで病院を出た。魂子のお迎えがあるため、いられる時間は限られている。いつか、時間なんて気にせずずっといっしょになれるようになったら…と帰り道はいつも思う。

余談だが、病院を出る時間が少し遅くなってしまったので、いつもの空いている路線のバスに乗りそびれ、ぎゅうぎゅうに混む路線で帰るはめになった。帰宅時間帯のため道が混んでいてバスが進まず、結局およそ45分立ちっぱなしでいるはめになってしまった…。尋常じゃなく疲れて、そのあとのお迎えや家事もつらかった。翌日(すなわちこれ書いてる今日)になってもしんどく、人にペースを乱されるだけでいらいらしてしまい、やる気も起きなかった。面会もお休みした。

ちょっと前まで、都内まで通勤していたというのに、この体力の低下は一体…。何だかんだで、産後まだ半年も経っていないという事実を身にしみて感じる。無理は出来ませんなあ。できることをできるだけ、少しずつ。気ばかり焦ってしまいがちなので、心がけていきたい。

 

*1:個人的に「魍魎の匣」を思い出す