うららかびより

家族のこと、趣味のこと、その他いろいろなこと

2017年12月30日の面会メモ(生後3ヶ月/101日)

一週間振りの家族面会。今年はこれで最後となる。冬休み中で、いつもよりも面会者が多いNICUだった。控え室のロッカーが、なんと1個しか空いていなかったのだ。ひええ。

なお、ピーくんは重症だからか通常父母のみ面会可能なところ、きょうだい児と祖父母についても許可されている。他の赤ちゃんのきょうだい児は、冬休みで預けどころがない場合、そうした子の為に用意された別室で待つ。この日はそこも使用中。あぶれた子がロッカーのそばでゲームしながら独り待っていたが、しまいに「ママー、まだあー?」とぐずりだしてしまったのに居合わせた。お母さんも赤ちゃんにかかりっきりで大変なのを承知で、耐えて待っていたのが爆発してしまったようだ。切ない光景だった。

ファミリールームでピーくんを待つ。呼吸器離脱したら泣いてしまったそうで、少し遅れてやってきた。運ばれてきてもまだプンプン、怒り泣きしている。赤ちゃんは泣くのが仕事というけれど、心臓に持病のあるピーくんはあまり泣かせず、穏やかに過ごすのが一番なのだ。というわけで、面会の度に行っている沐浴を先に行ってしまうことにした。

お父さんの大きな手に包まれてお風呂に浸かると、ピーくんは緊張がほぐれたようで穏やかな顔になった。体を拭いてオムツと肌着を着せてあげると、いつになく目をぱっちりと開けてキョロキョロする。私やお父さんの腕の中でも、落ち着いていてかわいい顔を見せてくれる。普段なかなかあえない分、こちらもじーっと見てしまう。話しかけるとこちらに目を向けるし、魂子が持ってきたパペットを目で追う。アー、ウーと声を出し、赤ちゃんらしい仕草を沢山見せてくれた。縦だっこをすると、びっくりしたように目をぱちくりさせる。体重3kg前後と、3ヶ月児平均よりうんと小さくても、この子なりに発達しているんだ。それだけでなくなんと、あやすと何回かにやっと笑ったようにも見えた!見間違いじゃないだろうかとおもったけれど、夫も魂子も「見た」という。ちなみにこんな感じだった。ほんとうに十四松みたいだったw


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もし見間違いじゃなかったら、嬉しいな。次回が楽しみ。妊娠発覚に始まり、つわりに悩まされ、順調だと言われていたところから一転18トリソミーの指摘、そして誕生と入院…ピーくんと濃密に過ごしたこの2017年最後のサプライズは、やはりピーくんがもたらしてくれた。

魂子はこの日、入浴前に目やにで汚れたピーくんの顔をふいてあげたり、面会中に似顔絵を描いて見せたりして、素敵なお姉ちゃんぶりを発揮していた。持って行ったこの100日記念の絵も、上手に塗ってくれた。


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 でも、もっともっとお手伝いしたいのにどうやったらうまくできるかわからなくなり、しまいには落ち込んでしまった。赤ちゃんとの関わり方は保育園で馴れているとはいえ、病気のあるピーくん相手だと勝手が違う。次は大人がよく見て、リードしてあげたい。

一方で、私は注入の手順や手技がまだまだ。

産後だからか老化なのか、記憶力が低下しているみたいで、なんども詰まったり間違えたり。もっときちんと頭に入れたい。いつかピーくんが、帰宅するときのために。

帰宅予定時間の少し前、それまで機嫌の良かったピーくんが、苦しみだした。顔色が良くなく、足がまだらに。そのため、呼吸器離脱は早めに切り上げて、元の病室で呼吸器を付けて落ち着かせることになった。相変わらず、呼吸器離脱の時間はなかなかのびない。残念だけれど、小さなピーくんに無理はさせたくなくてもどかしい。満ち足りた気持ちに、ぽたりと落ちたインク染みのようなほんの少しの不安を混ぜながら、私たちは病院を出た。「ピーくん、ばいばーい」と魂子が車から病棟に向かって手を振っていた。

その日の夜遅く、ひとりで搾乳の準備をしながらタブレットを操作していたら、アニメ「血界戦線」一期がAmazonビデオのプライム会員対象になっていることに気づいた。ついこの間まで二期を放送してたし、単行本でも何度も読んだけど、折角だから観ることにした。

第一話でクラウスは、自分をなにも出来ない臆病者だと言うレオに、こんな台詞をぶつける。

光に向かって一歩でも進もうとしている限り

人間の魂が真に敗北することなど断じてない

これが今になって、最初に読んだ時とは別の意味を持って、刺さったのだった。そして、大いに励まされたのだった。私の光、そしてピーくんの光。折れずにしなやかに、そこに向かって進めますように。

来年も、がんばろう。

 

 以下、余談

今年はこれが最後の投稿となります。はてなブログに引っ越しての再スタート、迷ったけれど思い切って行ってよかったです。またご縁がありましたら、来年もひとつよろしくお願い致します。