2017年12月24日の面会メモ(生後3ヶ月/95日)
- この日はピーくんにとって、初めてのクリスマスイブ。日曜日なので、家族で面会し共に過ごすことにした。NICU内のファミリールームを予約してもらい、病室よりリラックスできる雰囲気の中、ベッドごとピーくんが移動してきた。この日は朝から穏やかに過ごせていたとのこと。
- ピーくんへのクリスマスプレゼントは、くまのプーさんのパペットにした。これを魂子や私が手に付けて、ちょいちょいとピーくんのおでこに触ったり、「ピーくん、ぷーしゃんだよ~」と話しかける。眠くなるお薬を投与されているピーくんは、少しぼうっとした顔をしていたが、じっと見てくれているように見えた。3ヶ月を過ぎて、そろそろおぼろげながらも目が見えて来た頃だろうか。
- 代わる代わるピーくんを抱っこして、話しかける。赤ちゃん向けの絵本を読んであげる。魂子が大好きな、「あわてんぼうのサンタクロース」をみんなで歌う。魂子は5番までちゃんと覚えていたので、驚いた。私はせいぜい3番どまり…。そういえば、魂子はこの2日前のクリスマス会でも、しっかり歌っていたなあ。寿限無もいつの間にか覚えてしまったし、もう記憶力ではかなわないかも。
- 家族4人で季節のイベントを楽しむ。一見ごく当たり前のことが、私にはとても手の届かない、ひょっとしたら二度とできないのではと感じてしまう時期があった。この日をこうして迎えられたのも、ピーくんが病気を抱えながらも逞しく生き続けてくれたおかげだ。そう思うと、両手や肩にかかる重みすら、いとおしく尊い。来年の今頃は、どうしているだろう。先日主治医から話のあった気管切開については、まだ明確な答えが出せないままだ。私たちはどうしたらいいんだろう。願いは一つ。ピーくんとまたクリスマスイブやクリスマス、そしてお正月を過ごしたい。それだけはぶれないでおきたい。そこに至るまでの最善の道のりは、果たして何なのだろうか?
- この日、ピーくんはちょうど私たちとの面会時間に合わせて、呼吸器離脱の練習を行っていた。3時間の予定だったが、その前に苦しくなってきてしまったようで、不機嫌になり泣き出した。サチュレーションの値もふらふらと、不安定に。そのため、お風呂は当初ファミリールームにベビーバスを持ち込んで入れてあげるはずだったのだが、病室に戻りお鼻に呼吸器を着け直して行うことになった。病室にはほかの赤ちゃんもいるので、魂子を連れていくことはできない。担当看護師さんと一緒にお風呂に入れてあげるお父さんが付き添って、ピーくんはファミリールームから出て行った。お風呂が大好きなピーくん、いつも入浴時はきらきらした目をして表情が明るくなるので、見られないで残念だ。私と魂子はお風呂の終わりを待ってから、病院を出た。
- すでに暗くなった病院の外はしんと静まり返り、そして刺さるような冷たい空気に満ちている。いかにも聖なる夜だ。私は特定の宗教に入信しているわけじゃないけれど、もし祈っていいのなら、こんな夜の願いはこうだ。どうかピーくんが一日でも健やかに過ごせますように。一つでも多く、喜びや楽しみを実行できますように。
- いつも面会が終わると、いろいろ考えてしまってどっと疲れが出るのだが、この日は魂子の「たのしかった!ピーくんかわいかった!」という感想に救われたのだった。子供たち、ありがとう。翌日は面会をお休みして、そんな二人の絵を描いた。魂子が色を塗ってくれた。
- 今年のクリスマスイブは、ずっと忘れないでいたい。