うららかびより

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J1第6節 ガンバ大阪対モンテディオ山形:殴られて、殴り返して、ハイお目覚めの巻

ニッカン式スコアはこちら。試合当日から少し間が空いてしまったので、細かい分析はせずにだらだらっと書いて行きます。……あ、もともとそんなもん放棄してたな(笑)。失礼しました。その辺はもっと切れる頭脳をお持ちの方がとっくに書いておいでですので、どうかそちらをご覧ください。
仕事の都合で、大阪遠征は不可能。我が家はスカパーに入会していません。なので、仕事帰りにスポーツバーへ一人潜り込むことにしました。実は正直、スポーツバーのあのわさわさした「みんなで盛り上がろう!」っていう雰囲気は、ちょっとどころじゃなく苦手です。もともと友達が少なく陰湿インドアタイプの私にとっては…いつも場違いみたいで落ち着かないのです。いきなり知らない人とハイタッチなんかも出来ません。向かってこられたら、さすがにやりますが基本は逃げます。狙いがわからなくて怖いから。私に何かおもろいこと求められてもなあ…って考え過ぎですね、ハイハイ。
それでも今宵、この試合だけは観なければと思った理由は3つ。まず1つは大宮戦の後半に見えた新しい攻撃のヒントを、どこまで具現化できるか?と言うのが気になった。2つ目は、上位の山形をぐわっしと叩いておけば、優勝を夢見ることが可能な位置をキープできること。そして3つ目、前節で万博の虎としての牙をちょっぴり見せつけたジェジン。彼を、せめてガンバにいるうちに1試合でも多く観ておきたかった…ハイ、きもいですね。イタイタですね。年と状況を考えろですね。わかってます。わかってますってば。
まじめな話を書くと、多分彼はまだ韓国代表や欧州行きの夢を捨ててないだろうし、そうなると契約期間以上はガンバに留まらないようなと思ってます。それに5試合で3得点取ったとはいえ、1点は大勝時のだめ押し、2点は負け試合での得点。これじゃあまだ万博の虎じゃなくて、チャトランみたいなもんです。しなやかにピッチを駆け回ってマイナス方向にボールを散らし、隙あらばぐいっと勝利を引きつけるための得点、これくらい揃ってないと物足りないですよ。これまでのジェジンとチームメイトの関係は、超高性能なおもちゃと、それで遊びきれず持て余す子供のようなもの。ガンバには本格的なポストプレイヤーが久しくいなかったために、お互いに距離感がわからずに探り探りやってきていたように見えました。けれど、大宮戦の後半でいいイメージを持てたはず。だからこそ今宵はびしっと先制点や勝利につながる点を、取ってくれるはず!…って思ってたのに…。古傷の股関節痛が出たとかで、ベンチスタートが決定してしまいましたorz むーん、最近此の話題が出なかったので、てっきりよくなったと思ってました。まだ治ってなかったのか。だからあんまり動けなかったのか。しかし代わって先発の山崎だって、きっとなんとかしてくれる…と思って、定時後猛ダッシュで現場直行。以上、きもいジェジン語りその1でした(2があんのかよ)。
常連の縄張りが有ったりして、勝手に席に座ったら怒られるのかなあ…とびくびくしていたものの、いざ店内にそんなことはいっさい無くてほっとしました。3年ぶりにきた店内は、全く変わってなくて懐かしかったです。調子に乗って酒をがぶがぶ飲んで、パスタを平らげていくよくるよに入れそうなくらい腹パンパンになって、ちょうど流れていた横浜対阪神戦を観ながら藤田の緩慢送球に無言でキレつつ、キックオフを待ちました。パスタはもうちょっと柔らかい方が好み(トマトチーズのソースは○)。カクテルはうまかったです。
前半は、大宮戦に比べればナンボかましなテンポでガンバがボールを持ちましたけれど、山形は最初から受け止めることを前提に深く布陣を敷いてきて、跳ね返し、カウンターを狙います。狭いエリアに密に人をおいて、パスコースを限定して…オーソドックスなガンバ対策です。でもその奪った後のカウンターが、不思議と鋭くない。戦前の記事通り、引き分け狙いだったのかな?長谷川&古橋の2トップの怖さは、あまり見えてこなかったです。あるいはサイドから安田や下平の裏をゴッソリ抉って突いてくると思ってたのですが、予想外の柔らか攻撃で戸惑います。明神&橋本のボランチコンビもしっかりしてましたしね。それでも怖い場面は有りましたが、オタオタしながらも最終ラインでなんとか帳尻あわせ成功。しかし、それに対するガンバのフィニッシュも、なんだか柔らかくて甘ーい。大宮戦の前半はまだ彼らの脳裏に悪夢がごとくこびりついているようで、「攻めなきゃ!」と前に対する意識を持つのはいいのですけど、焦りが軽さを呼んじゃいましたね。手数は多いけれど、ジャブみたいな攻めが続きます。前節で低調だったルーカスと安田、彼らには大宮戦の分を取り返したい!って気持ちをすごい感じたけれど、それは過度の責任感に押しつぶされそうで口をパクパクしているようでもあって。茶でも飲んでもちつけーとも言いたくなった。同時に、彼らがすっきり、楽な気持ちになれる結果に成って欲しい、とも。自由に川を流れる小舟のようにのびのびとおおらかに、ピッチを駆け回ってこその彼らだもの。しかし、簡単に負けるとは思えないけれど、もうちょっと工夫して、おちついてシュートしない限りは勝つのもむずかしいなあという、実に微妙な流れ…。けっこうこういうときは事故みたいな点が、どっからともなく入っちゃうんじゃないだろうか?もやもやっと胸騒ぎがしました。
と思ってたら、いわんこっちゃない。前半終了間際のロスタイムに、実にザ・ガンバな失点の瞬間がやってきました。CKの場面で、こともあろうにファーにいたCBレオナルドがドフリー。彼が頭で落としたボールを、新加入のキム・ビョンスクが丁寧に流し込みました。山形先制。ああ…この日の山口とドンヒョクは、お疲れ気味なのかどこかぼんやり。それを引いても、ガンバのあるある法則そのままに失点食らってしまったのはひでえなあ。ガンバを観てきた十ウン年の中で、何回この流れに腰砕けさせられ、「セットプレーの守備練習してんのかよ」と呪いたくなったことでしょうか。でもなあ…見方を変えると、前半45分焦って仕掛けてカウンターでオタオタしたガンバよりも、このときが一番「いつものガンバ」に近い姿でした。非常に逆説的ですけども(苦笑)、これはいい方に考えたらガンバのターンを始めるチャンス。スロースターターで低血圧な彼らは、殴られたらある程度は目覚める。そう成ればこっちのもの。相手の出方はさほど鋭くないし、後はDFが密集したゴール前をどう攻略するか。かえって焦点が絞れるようになったんじゃないかと思います。
ただ、前半気になったのはルーカスや安田の笑顔が時々映し出されていたこと。映像で観る限りは、ものすごいうまく行ってる、とは思えなかったんですが、やるのと観るのとじゃ大違い、ってことですかね。私にはプレイヤーとしての視点が欠けているので、どうもわからなかったです。
後半は、早めにカードが切られましたね。後半12分、安田→佐々木に、山崎→ジェジン。クロスやらなんやらかんやらで、とにかくジェジンを使いまくれ、と。いつぞやの、ジェジンを引っ込めてから佐々木投入という采配にはしょんぼりさせられましたが、今回の意図は単純明快。いつも通り明神、橋本とCB二人には死ぬ気で守ってもらって、肉を切らせて骨を断つ。これっきゃないでしょう。負傷のことを思うと、本来ジェジンはベンチで威嚇を兼ねたチラ見せ程度に留めて、極力使いたくなかったはず。ただ、フィールドの平面レベルで山形の密なディフェンスを崩し切れてないのなら、高さというオプションの追加は妥当な選択です。ジェジンの存在自体がDFにとって「つり」になり、新しいスペースを生むことも出来ますしね。
しかしジェジンが出てきてびっくり。頭に紐が…しかも遠藤みたいにおでこを出すとかじゃなくて、本当に頭に巻いただけ。おいおい、いくらいい男すぎるからって、わざわざそんな常人に対するハンディをつけなくてもいいだろ…ゲフンゲフン、すみません妄想でした。とにかく、毛が多いせいか、頭が盛り上がってシイタケみたいになってしまってるので…そのう…すんません、面白かった(笑)。「オレは今から、多くの人の命を食らってきた山の神を狩る!この命と引き換えにしても!」と決意するマタギのような厳しい表情の上にこんもりと乗っかってるシイタケは、こともあろうに、笑いのつぼへジャストストライク。もー頭の中は「チョwwwおまwwwwwwww」でパンパンですよ、チョ・ジェジンだけに(笑)。不謹慎だとはわかっていても、画面に映る度に噴くのをこらえるのに必死でした。ごめんジェジン。いつも色々な意味で、だめな視線ばかり投げてごめんジェジン。
それはともかく、この交代はジェジンよりも佐々木の方が効いていたと思います。残念なことに、結局かちんこちんのままピッチを去らなければならなかった安田とは対照的に、ホニャンとした顔でスイスイタッチライン際を上下する佐々木は、クロスとトリッキーなプレイで相手を翻弄し続けました。山形の選手も、元チームメイトとして佐々木のすごさを実感してるだけ有って、少し気負って臨んでいたのかもしれません。佐々木が中に入り込んで、レアンドロが外に流れて…下平もちょっと上がれるようになって…。シュート数は前半の方が多かったように思いますが、おしおし、いい流れ。中盤の選手が前に飛び込めるように成ってきました。そんな中で決まったのが、遠藤のゴールです。狭いエリアを佐々木とのワンツーで突破して行き、山形DFを振りまくったあげくに、右足一閃!選手にもサポーターにも、冷水ぶっかけてガンバのサッカーをガッツリ思い出させるような、素晴らしいゴールでした。いまんとこ、今季ベストゴールでよろしいか(笑)。続く後半33分、橋本のパスを山形DFがクリアしたこぼれ球にむかって飛び込んだレアンドロが、左足で豪快にズドン!安田に「下ねた大好き」と書かれたりGマガジンで「シャンプーハットのてつじに見えて仕方有りません」と言われたり、どうもネタキャラぽさが私の中で際立っていた彼でしたが…気絶するほど悩ましいゴール、ゴチに成りました。まだ24歳?後世恐るべしとはこのことですね。新しい応援歌、早く歌いたいです。でも、活躍すればするほど、油の国の異人さんに連れられて行っちゃいそうで、心配なのは私だけか。3回目はやだなあ…取り越し苦労で終わって欲しいです。(追記:こんなものすごい裏話もあったみたいで(笑)。レアンドロ最高や(笑)!)
ジェジンの応援歌にはびっくり。ロアッソ熊本に移籍した中山悟志のメロディじゃありませんか。そうか、だから紐だったのか…と、妙に納得。いや、関係ないのだろうけど(笑)。同じ1981年生まれ、長身で細身の割には筋肉質、そしてちょっと童顔な顔に生やしたひげ…そういえばけっこう共通点があったりします。その他に、私はジェジンに対して常々、「西野さんは中山、いやゴンタロを、こんな風に育てたかったのだろうな」と思うことがありました。かつて、マグロンという典型的な電柱タイプのCFを失ったころ、西野さんは半ばスパルタチックにゴンタロを使い続けました。ゴンタロの才能を感じて、彼のユニフォームを買ってきていた私には、毎試合ハラハラする日々でした。しかし、彼は見た目ほど空中戦に強くなく、体を張ってボールをキープすることもうまくなく、放り込まれるボールをチャンスに結びつけられることは少なかったわけで…。ただ、ポストプレー=空中戦ではありませんよね。パスをはたいてスペースと味方を操り、引き出し、前線にアクセントを付ける。自分がつぶれて、味方を引き出すプレイ。開幕戦でジェジンがこういう動きを見せたとき、「ゴンタロにこれが出来ていれば…」と思いました。そうしたら、ガンバの攻撃は、ちがった進歩を遂げていたでしょう。ジェジンもくることは、無かったかもしれません。ゴンタロはもうガンバの選手じゃないし、私ももう、彼の背番号をつけたユニフォームを身につけることは無いのですけど、ロアッソ熊本の試合結果だけは、できるだけチェックしています。今いる場所で、今の仲間や今彼を愛してくれているサポーターと一緒に、がんばってくれたら、そしてまたいつか、万博に戻ってきてくれたらと思います。ジェジンの、紐にくくられた黒いシイタケ頭を観ていたら、猛烈にガンバ時代のゴンタロを思い出して、切なくなりました(同時にそのシイタケっぷりに笑いもした訳だがw)。ま、ばばあの戯れ言ですよ。戯れ言。
ただ、安田の心が晴れたかどうか心配になります。赤ちゃんみたいな顔で楽しそうにピッチを行き交い、サポーターにピッチの内外でニコニコを運んでくれた安田。いまは、辛いときかもしれません。厳密には去年から、辛いときは続いていると言えるでしょう。失敗を恐れずに。たまには休んでもいい。安田は安田らしく、それだけは譲らずに。また心からサッカーを楽しめる心境に至って欲しいと思います。もうインドネシアに着いたかな。うまいものでも食って、ぐっすり寝てくれ。未来のバンディエラ。ほかのみんなも元気でやってるかなあ。ジェジンは股関節痛のことを思うと、長時間飛行機に押し込めるのはどうかなって感じだし、インドネシアよりもまず日本の床屋へ行くべきだと思うんですが(笑)。
決してスマートじゃない試合展開だったし、一歩間違ったら山形の思い通りにされてた流れ。少なくとも前半は、そうだったでしょう。大宮、山形と実直かつ厳しい相手と連続して当たったことで、「いつまでもアジア王者って浮かれてんじゃねーよ」と横面張られたみたいな感じがしました。実際2009年シーズンにおいては、何者でもない、しがない平チーム。ここは一つ割り切ってからっとした気持ちで、一戦一戦向かって行きたいものですね。過度のプライド、言ってみれば醜い驕りは、簡単に人を殺します。でも、チーム全体が一番欲しかった星が、転がり込んできた。それは素直に、喜びたいと思います。試合終了直後の彼らは、かつてなく晴れやかな顔をしていました。サッカーを通じて、自分に満足の行く結果を得られたら、みんなきらきらといい男に見えてきます。いや、そうでなくてもみんないい男たちです。田舎だの豚だのと、貴重な対戦相手をいたずらに貶めなくても、いいものはいい。それだけでいい。そんな男たちに、志の低いサッカーなんてして欲しくない。ほんの一勝、一さじ分でも余裕を手に入れてくれた彼らは、これから先もっと輝いてくれるはず。ガンバはこんなもんじゃないって、選手もサポもコーチ陣も、思ってるのですから。まずは上を向く力が得られたこと。それは何より、うれしいのです。J1通算250勝、おめでとう。私が生きているうちに、500勝もよろしくお願いします。
ほんじゃま、私もこれからバナー作りますかね。