うららかびより

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天皇杯準決勝:横浜F・マリノス対ガンバ大阪@国立霞ヶ丘競技場

現地観戦の後、無事帰宅いたしました。いやー、きつかった。しんどかった。マンU戦より寒かった。でも、勝ってよかった。
両チームに特に思い入れなく見たら、「お互いそれなりに得点のチャンスがあるのに、なまじシュートが枠へといかないばっかりに、ずるずると延長戦まで突入し、ようやく入った1点がそのまま決勝点となった」程度に、簡潔かつ無味乾燥にまとめられてしまうかもしれません。でも、ゴール裏で声を上げて応援してる人も、テレビの前で手に汗握ってる人も、サポにとっちゃ胃がキリキリ、シクシク痛んで、心臓が縮みあがっちゃうぞコノヤロー!てな展開の連続でありました。時として応援よりも、ため息や「おおおっ」って喚声が大きかったりして。激情且つ劇場チックな展開の多いガンバサッカー。サポも慣れている(というかある意味中毒?)とはいえ、ちょっとでも油断したらカミソリで喉を掻き切られるような恐怖を伴うラッシュが延長戦まで続くと、そりゃもう、ばてます。選手の足は止まりがちになり、サポも寒さに震えながら声を振り絞り、耐えに耐えました。PK戦にもつれ込んだら、勝敗はばくち同然。確かに今日の藤ヶ谷は悪くないけれど、出来れば確実に、加点して決めたい。ただでさえかさむ心労。このうえPKをやれなんていわれたら、それこそゴール裏全員はげてまうがな。しかしその喉から手が出るほど欲しいゴールの、なんとなんと遠いことか。いつもと同じ広さのピッチのはずなのに…。あたりは日が暮れてどんどん暗くなり、目の前も暗くなりかけたそのとき。寺田がドリブル突破からつないだボールが山崎へ。背番号30の気合いとともに放たれた一撃は、私たちガンバサポの希望を元旦へつなげる虹のごとき軌道を描いてゴールに突き刺さり、それと同時に、対岸の、かつての古巣であるF・マリノスへ引導を渡すことになったのです。それは彼の、過去への決別のようであり、独身時代の最後の花道を飾るにふさわしいようでもあり(明日は入籍予定日ですね。おめでとう!)。
これが決勝点。ガンバは、辛くも勝利しました。しかし、勝者と敗者を分けたのは、ほんのささいなことでしかなかったように思います。お互いの体力を吸い尽くす、無限とも思えたがっぷり四つの打ち合いの果てのことでしたから。ただほんの少しだけ、シュートが外れる割合が、少なかっただけのこと。それも、山口を筆頭とした我らがガンバ守備陣が、疲れに苛まれながらも目の前の相手にプレッシャーを掛け続けたが故のことでしょう。
そもそも、このF・マリノスとはかつてのV川崎ほどではないにせよ相性が悪く、対戦してもいい思い出がほとんどありません。特に岡田武史監督時代はボコボコにされては、帰りの横浜線で「いつもこうだよ…」と暗い気持ちを誰にぶつけるでもなく悶々としていた記憶があります。今年のJ1も、一分一敗。なんでだろうなあ。相手の顔色ばかり伺ってたカウンター一本やり時代も、ようやく前を向いて胸張って、中盤で細かなパスワークを志向するようになった今でも、苦手。センターラインの守備がしっかりしているからでしょうか。つかめるようでつかめない、天敵。
それに加えて今日はとにかく、試合前から先方のサポーターの猛烈な気合いが伝わってきました。ホーム側のゴール裏は、一列目から最後列までトリコロール一色。下手したら日産スタジアムでのリーグ戦よりも迫力があるのではと思えるチャントで、試合前から「こりゃあ、こちらも思いっきり歌って後押ししないと、ホームみたいな雰囲気を作られてしまうなあ」と若干心配していたくらいです。ただ、ガンバにとって運が良かったと思えるのは、FWの坂田大輔がピッチに投入されないまま終わったことでしょうか。彼には過去の対戦で何度も悔しいゴールを破られていますし、ガンバの守備陣が苦手としているタイプ。後半から足が止まりだし、まさに満身創痍のまま突入した延長戦に、彼がジョーカーのごとく投じられたら…。後半途中からそのことがずっと気がかりでした。あと、松田が投入されても怖かったと思います。彼は、相手の虚をついてひょいと自分の役割を飛び越えて、こちらの柔らかい脇腹を懐刀でぐっさり刺せる選手。その存在だけで、チームに気力と闘争心を与えられます。思えば、双方決定的な打つ手のないまま延長まで来たのは、こうした「自分の役割を飛び越えられる選手」がいない、もしくはいても遠藤のように万全では無かった、ということが大きいのかもしれませんね。
内容自体は手放しで喜べないかもしれない。でも、こういう試合をギリギリでものにしたこと自体がすごく大きいし、収穫だったと思います。寺田は決勝点をアシスト、倉田と平井も少ない時間でがむしゃらに、自分を表現しようとしました。普段ベンチにいることの多い選手たちが、精一杯やってみせました。遠藤の足の具合が気になるところですが、元旦はもうすぐ。若い力を信じてみたいです。そして私も、チケットを握りしめて精一杯声を出すのみ。結局精神論かい、ってな感じですが、こうすることがこの大会で今まで打ち負かしてきた相手に対する、せめてもの礼儀ではないかと。それにこの長かったシーズン、勝って笑って終われるのは天皇杯の勝者のみ。素敵じゃないですか。
しかし困ったことが一つ。私、昨日から風邪の疑いがあったんですが、今日の試合が終わってからどうも悪化してしまったようなのです…。まずは自分が超回復、めざします。げふん。