うららかびより

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対アンゴラ代表戦:谷間の中にきらりとひかる、サイドのあいつ

国立、行ってきました。帰り道です。最終予選で増えた人はあっという間に離れてしまったのか、一次予選以上に閑散としたスタンド。ホーム側ゴール裏が2/3しか埋まらず寂しいものでした。言わんやメイン/バックスタンドをや。
これだけスタンドが冷えたのが影響したのか、試合自体も後半途中まで淡々としたものでした。布陣は3バックの中央に伊野波雅彦がすわり、左が森重、右が青山直晃。上田と長友の両アウトサイドを置き、青山敏弘と細貝のドイスボランチ。トップ下は梅崎司で、豊田と李の見慣れぬ2トップ。布陣は反町監督が基本とする3-5-2でも、オフェンス要員として並んだ顔ぶれはかなり新鮮でした。
しかし新鮮は未熟にもつうじます。アンゴラ代表は、「ひとっぷろあびた後2試合くらいこなして試合にこいや」といいたくなる、おかたいコンディションで、もって生まれた能力をギラリと見せつけてくるのが怖い(そして日本はそういうイレギュラーな反応にしばしばよわいのですが)くらいでしたが、守備はいつもの面子ということもあり落ち着いたもの。しかしアウトサイドと前の3人でつくる攻撃はちょっと困ったことに。誰一人サボってないしちゃんと走ってるのに、怖くないし、相乗効果も生まれないのです。相手の予想を超えるプレイや、枠を敢えて踏み越えて挑戦する、仕掛けてゆく形もほぼなし。コンビネーションが甘いのはわかりますが、「若いのに水気の少ないサッカーやってんなあ」と思いました。
このチームに足りないのは、ちょっと引いた視線でもって、まえにいる選手を上手に使う交通整理係。携帯で書いているのでソースを示すことはできませんが、反町監督オーバーエイジ枠候補に遠藤保仁を挙げているという記事があったのも、うなずけます。しかし彼の場合は性格や行動傾向が、オーバーエイジ枠の役割にあってないとおもうんですがね。今日出た梅崎は、いわゆる司令塔的な役目よりも、こういう人の前で自由にやらせたほうが面白そうです。A代表で言うと、山瀬功治みたいな感じですね。
そして、もうひとつ欲しいのは、闇夜を照らす灯台みたいに、攻撃の核となってみんなを導く絶対的なFWです。李と豊田の2トップ…悪かないのですが、二人はどちらも、パートナー次第で能力をもっと引き出せるかなと感じました。…ヒラヤマとかヒラヤマとかヒラヤマに、こういう役目を期待したいんだけどなあ。駄目なのだろうか。
一番のサプライズは長友。小柄ながらも積極的に仕掛けてゆきます。逆サイドの上田も頑張ってましたね。受け身に廻った時の守備の粘りが、なんというか…ジュビロらしいなと。積極的にミドルレンジも狙ってました。本田圭佑水野晃樹がおいそれと呼べないところに行ってしまったので、心配なポジションでしたが、よかったです。でも二人にボランチや最終ラインから、もう少し長いボールを供給してもよかったんじゃないかなあと思います。真ん中の梅崎にまず預けてはたかせる形はけっこうある一方、サイドを走らせてあげるパスが少なかったですね。他には…いいとこは見つけにくい。そんな前半でした。気候とスタンドの人口密度に合わせたみたいなサッカー。
後半は、長友のクロスからの豊田のゴールで、ようやく試合にスイッチが入った感じ。どっかの青黒い人たちみたいです(笑)。両青山や細貝から左右に振るパスが出るようになり、押し込めました。ただ、攻め込んだら攻め込んだで、こぼれ球に食らいついて押し込む選手がいないんだ、これが。「一回防いだらおしまい」って、相手に余裕をもたれちゃうのイクナイですよ。そして、後半になってから目覚めると、ノリノリになっても追加点を産む時間がたりません。追いつかれても挽回する時間が少ないし、今日も「はい、それまーでぇよ」みたいなモヤモヤする終わり方をしてしまいました。
前半の使い方は、予選のころからこのチームの鍵を握ってますね。下から伸びた太い幹が、途中で切られてなくなってしまったみたいに、守備にくらべて攻撃は形がないのが寂しい。今度こそ梶山の復帰が待たれます。
次の試合はどうなるかなあ。進歩してくれるところはあるのだろうか。わかんないことがやまもりでも、なんだかんだでまた行くのでしょうけどね。
とにかく疲れた。そして寒かったし、キックオフ一時間前を切ってもまだこの写真のような入りのスタンドにはガックリさせられました。なにか出来ることはないかなあって、考えちゃいますよ。
次はもうちょっと最初から、若者らしい水気と元気を含んだサッカーをしてほしいな。全てはそれから。