うららかびより

家族のこと、趣味のこと、その他いろいろなこと

おとなになれば

もうはたちも過ぎたのだし、身の振り方なんぞ、自分で決めればいい。そりゃあ確かにACLやパンパシもある中、抜けられるのは痛いよ。これを乗り越えるのが大人の階段、今我慢して乗り越えないでどうするなんて見方もあるだろう。けれど、我慢以上に馴れ合いは、変わらないことは、時として人を腐らせる。今までずっと後生大事に蒼と黒のボール紙でできたケーキの箱で育てられた箱入り息子である彼は、そろそろ別の世界の空気も吸っていい時期なんじゃないかとも思う。かつて彼の先輩である大黒が、札幌で岡ちゃんにスイッチを入れてもらったみたいに。
彼はチンタラしてるけど、渋谷や新宿に転がってるようなバカな洟垂れ小僧ではない。ただ、自分で自分の可能性を、狭めてしまっている。そんな狭くて窮屈な世界で、息が詰まりそうになってるのを見るのは忍びない。西野さん、お気の毒に。決して家長のことを憎んでいるわけではないし、むしろ自分が立てた新しいコンセプトの中で彼を必死に生かそうとした1年間だったと私は見た。しかし、愛と相性は、まったくの別物なのだ。哀しいことに。
星の数ほど存在するクラブチームにおいて、ガンバだけが正しいわけじゃないし、ましてや唯一無二の正解でもない。クラブの数だけ、サッカーのやり方と生き方がある。彼はまだ若い。だからこそそのことを知って欲しい。広い世界で。そして今の自分の身の丈を知って欲しい。まだ君は若くて青い。それは未熟で不十分であると同時に、まだ伸びていける活力を充分に持っているという証でもある。自分に気づいて、打ちひしがれてそれでも踏ん張って立ち上がる。君のプロ生活は、そこからようやく始まる気が私は勝手にしている。
出来れば、ガンバ大阪こそが彼にとって、世界と相対するための扉であって欲しかったのだけど。そして正式な発表がないうちは、君がガンバを選んでくれることを信じていたいのだけれど。