うららかびより

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恩師の著書を読むに始まり、気がついたらベンフィカのチャントを訳してた

昨年末から、こんな本を読んでます。

ポルトガル語のしくみ

ポルトガル語のしくみ

実は大学時代にちょっと習ってた先生の本だったりするんですが、大学を卒業してそろそろ10年。今一度初心に立ち返ってポルトガル語を一から勉強しなおしたいなと思ってます。
去年はご縁が有って、ガンバサポ諸氏が製作された段幕や、選手に届けるメッセージを訳す機会をいただいたのですが、そのたびに「ああ、勘がにぶったなあ。語彙も減っちゃったなあ」と自分にがっかりしました。あまり使える人もいない言葉だし、ガンバには今年も新しく、ブラジル人選手が入りそうだしっていうんで、まだまだ使う機会は多くなりそうです。そういうわけで、文法書を買いなおしたり、CDでリスニングを鍛えたりと、簿記とともにコツコツ学んでいくつもりです。今年からはここで、その学習の記録を残していく予定です。サッカーを通じてポルトガル語に興味を持ち、勉強したいと考えている方の、参考になれば幸いです。
ちなみに、この「ポルトガル語のしくみ」という本は、入門書でありながらしちめんどくさい文法や動詞活用よりも、「ポルトガル語ってこういう言語で、こういう文化の下に使われている」という像を大づかみに出来るという点で画期的です。実は国内の出版社が出しているポルトガル語の教本は、圧倒的にブラジル−ポルトガル語寄りのものが多いので、ポルトガルポルトガル語寄りであるという点でも貴重。かつて植民地と宗主国という間柄だったこの両国、公用語は同じポルトガル語でいてその実、文法や発音など、細かく違うところがあるのです。あんまり書くと長くなるので、ここでは割愛します。興味がある方は、WWW上のソースや専門書をご覧ください。
で、この「ポルトガル語のしくみ」の中で、実はポルトガルリーグの強豪として有名なベンフィカ・リスボン*1の応援歌が一つ紹介されています。タイトルは"Sou Benfica"、訳すと「わしがベンフィカじゃ」…いや、これだとちょっと星野仙一さんみたいですね。「俺がベンフィカ」、これでいきましょか。「おれは鉄兵」みたいだけど。ようつべにないかしら?っておもってだめもとで調べてみたら、あったんです。しかも、かっこいいスライドショウ。

※追記(1/ 5 20:19:28):動画が削除されてしまったようです。検索して変わりになるものが見つかり次第、差し替えます
本には1番の歌詞しか載っていなかったので、リスニングの鍛錬もかねて聞き取って訳してみました。

Somos milhões 俺らは何百万
e uma só alma それでも心は一つ
esta alegria de estamos aqui 俺らがここにいられる、この喜び
erguendo a voz 俺は声を上げて
solto a bandeira 旗を広げる
Ser do Benfica 俺らの心はベンフィカのもの
todos por ti すべてはベンフィカのために
Sou,sou,sou,sou Benfica 俺らが、そう俺らが、俺らこそがベンフィカ
Sou,sou,sou,sou Benfica 俺らが、そう俺らが、俺らこそがベンフィカ

nobre história 気高き歴史
da grande aguia それは偉大なる鷲とともに
e ??? glória ??? ※glória自体は「栄光」の意
mas provas ??? ???
somos a ??? ???
aqui presente いま、ここにいる
anda,Benfica さあいこうぜ、ベンフィカ
vamos para frente 前へ突き進め
Sou,sou,sou,sou Benfica 俺らが、そう俺らが、俺らこそがベンフィカ
Sou,sou,sou,sou Benfica 俺らが、そう俺らが、俺らこそがベンフィカ

Sou,sou,sou,sou Benfica 俺らが、そう俺らが、俺らこそがベンフィカ
Sou,sou,sou,sou Benfica 俺らが、そう俺らが、俺らこそがベンフィカ

かなりの確率で聞き取れてませんorzまだまだ修行が足りんですね。しかし、Sou=I amですから、「おれがベンフィカだー!文句あっかー」と言い切ってしまうあたり、くさすつもりはありませんけど「ヴィンチ・ペル・ノイ(俺らのために勝ってみせろ)」とか「ウィーアーレッズ」よりも強いと感じます。歴史の重み、都市とともにきた歩み…ヨーロッパサッカーの懐の深さの表れですね。かつてACミランフィオレンティーナブイブイ言わしていた名MF、マヌエル・ルイ・コスタがついこの間、ベンフィカで現役生活を終えると発表しました。かれの体にも、このチャントが存分にしみこんでいることでしょう。
ちなみにこれは、ポルトガルで人気のあるバンドUHF(ウー・アガー・エフ)が作った、比較的新しいものなんですが、実は40年以上親しまれている年季の入ったものもあります。それが"Sou Benfiquista"(ソウ ベンフィキスタ)。Benfiquistaというのは、バルセロニスタとかミラニスタと同じで「ベンフィカの熱いサポーター」のことです。こちらも、ようつべにソースがあるので、ご紹介します。

ファドの国、ポルトガルらしい情感のこもった曲です。
こちらは、WWW上に歌詞を紹介しておられるサイトがありましたのでリスニングの際に参考とさせていただき、訳は自分で行ってみました。

Sou do Benfica 私はベンフィカとともに生き、彼らとともにある
E isso me envaidece そのことにより、私は何ともいえず気持ちが高ぶるのである
Tenho a genica 私は能力を持っている
Que a qualquer engrandece すべてを得られる能力を
Sou de um clube lutador 私は戦士たちの集うクラブとともにある
Que na luta com fervor 熱き心を持って戦いに挑む限り
Nunca encotro rivel 我々には敵などいない
Neste nosso portugal わが祖国、ポルトガルにおいては

Ser Benfiquista さあ、ベンフィカ・サポーターたれ
É ter na alma e chama imensa 確固たる意思を持ち、高らかに彼らの名を呼ぼう
Que nos conquistar 勝利のために
E lava a palma a luz intensa 勝利をつかみ、輝きはいや増す
Do sol que la no ceu それは空にある太陽の輝きよりも強い
Risonho vem beijar 輝く笑顔とキスが
Com orgulho muito seu ベンフィカへの誇りとともに現れる
As camisolas berrantes 赤いユニフォームをまとった選手たちは
Que nos campos a vibrar スタジアムを震えさせ
São papoilas saltitantes そのさまはさながら、けしの花が揺れているかのよう

いいなあ、こういうの(しみじみ)。
そういえば、われらがガンバ大阪も、長く歌い継がれる公式ソングを作るということで、歌詞を一般公募していましたが、その後どうなっているのでしょうね?私がばあさんになっても恥ずかしくなく歌えるような、それでいてピッチの上で展開される情熱も悲哀も内包しているような、そんな歌詞ならいいのですが。って、そこまで求めるなら自分で応募したのか!って話ですけど…すみません、してませーん。口だけ、イクナイ。でもどうなるんでしょうね?人事往来と同じくらい、大事なことだと思うんだけど。

*1:正式名称はスポルト・リスボア・イ・ベンフィカSport Lisboa e Benfica