うららかびより

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Don't Look Back in Anger.

ピーッ、ピーッ、ピーッ、とブラウン管の向こうでホイッスルが鳴ったとき、思い出したのは忌まわしきアウェイFC東京戦のあとで流れていたこの曲でした。ガンバ側にドライアイスから気化した二酸化炭素のごとく、重くて冷たくて、寂寥感と静かな怒りが、ガンバ側のピッチの上に満ち溢れてるようで。せめて、四肢をもがれたように何も出来ずにテレビの前で打ちひしがれるくらいなら、ゴール裏で飛んで跳ねて、最後まで鼓舞したかった。今年は、こういうことが多くて、悔やんでばかりです。いけませんね。選手を応援するからには、むしろ選手よりタフな精神をもってないとやってけないのに。頭では、わかっちゃいるのに。
今日は用事で家から離れることが出来なかったので*1、家でずっとテレビを見ていました。立ち上がりの失点は、コントのように鮮やかでやがて悲しき重荷となって、最後まで、のしかかっていました。そりゃあガンバの連中も情けなかったけれど、フィリッポ・インザーギの極東の息子のごとき佐藤寿人の嗅覚だって、すばらしかったものね。2点取られた後のバレーのゴールで目覚めたか?と思ったけども、あの後すぐハーフタイムになって一旦リセットされたのも、巡り会わせが悪かったように思います。広島は、ナビスコカップでも戦いましたし、しっかりガンバを研究していた上に、トーナメント特有の勢いを上手く利用してガンバの上にどっしーんとのしかかってきて、そのまま押しつぶしてしまいました。
アウェイ川崎戦、アウェイ横浜FC戦、アウェイ横浜F・マリノス戦、そして前述のアウェイFC東京戦。攻略のされ方も、攻め方も似ていたように思います。いつも「こんなはずじゃない」「もっとできるはずなのに」そんな声が、ピッチから聞こえてくるような。確かにリーグ最多得点の「超攻撃」はなせたけども、屋台骨がまだ細いところも見せてしまいました。そりゃ確かに、自分たちのサッカーをさせてくれる場合は、勝つことは楽になりましたよ。でも強くなればなるほど、そういう時間帯は減っていく。そういう場合、どうしたらいいんだろうか?去年から突きつけられた宿題は、提出できずに残されたままとなりました。
ただ、監督や選手個人を攻めても仕方ないし、一時の鬱憤晴らしにはなるにしても、それじゃあ何の解決にもならない。チームひっくるめて、あわせ技で負けたんだから。誰かのミスを、みんなでカバーするのが、チームスポーツ。
ちょっと強くなったけれども、強豪ではない。今のガンバは、そういうチームです。スペシャルなチームでも、現代の奇蹟でもない。今のガンバは八方破れでパルプンテで、そこがどうしようもなくイライラさせられると同時にチャーミングでもあるところ。でも、天然だけでは世の中渡っていけない。遠藤も山口も、30の関が見えてきました。蜜月の賞味期限は日々少なくなってきています。寺田や安田といった若いのが出てきたけど、もうちょっと出てきてもいいんじゃないかな?特にFW。ともに野放しがベストで、相手のよさを引き出したりつかってやることが得意ではない播戸やバレーを組ませ続けなければならない現状。それは彼らにとっても、クラブにとっても不幸です。
クラブワールドカップを見ていて思ったこと。あの憎たらしいACミランは、相手を舐めてかかっているときにも、ボール保持者に対してプレスをかけていくところや、相手のミスを決してやさしくエレガントには見逃さないところは、徹底していました。この徹底がチームの屋台骨を強化するのでしょう。それは、困ったときにいつでも立ち返れる基本ともいえます。まずはそうしたところの強化を、西野監督には行っていただきたい。まぐれでリーグ優勝など出来ませんからね。ちょっと頭のお堅いところはありますが、無能ではない方です。監督も、選手も、足りないところがあるということはそれだけ伸びしろがあると思ってもらいたい。今は成長のチャンスなんです。
とくに、シジさん放出という痛みとともに始まる守備の改革。これは大事です。鍵を握るのは、中澤と青木です。シジさんや實好とともに過ごした月日で、何を感じたかを、今度はピッチの上で表現する番。特に青木は、おっとりのんびりしすぎましたね。もう若さが言い訳になんてならない年齢なのに、彼は今までどんな結果を出したというのか。まさか食いっぱぐれずにサッカーできればそれでいいなんて、甘ったれたことを思ってないかと心配になります。今年はチーム事情に振り回されて可哀相なところもありましたが、来年は本職のCBで勝負してもらいたいです。市立船橋のときに見せた、スケールの大きなプレイを進化させて、万博で見せてもらいたい。
いろんな意味で北摂のおっとりお坊ちゃんみたいだったガンバ。来年は劣勢を跳ね返すしなやかな弾力を持ったチームになってくれることを期待しています。私も、期待するだけでなく、出来るだけついていきます。チームとともに泣き、笑い、生き。ガンバという運命共同体の血肉になれるように。
私は、チャントのなかでもレッドリバーバレーの替え歌が一番好きです。「戦士たちよ 俺らの 声が聞こえるだろう」ってやつ(詳しくはこちらで)。雨のときも、晴れのときも、仕事でミスした翌日も、彼女に振られちゃってトホホな日も、ガンバの試合のためにいつものみんなが、いつものように集って歌って、勝ったどーとかあほやあいつらほんましゃあないわって、笑いながら一瞬一瞬をかみ締めて、その余韻に浸ったまま平日の日常へ戻る。そんないとおしい循環があの歌詞につまっているようで。
負けても勝っても、ガンバを知って、愛せたことを後悔しない様に。来年もやっていきます。

今はこの歌が、沁みますね。石君のがに股はどうかと思っちゃいますけど(笑)。

*1:チャット告知記事も出せなくて、済みませんでした