うららかびより

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読了:『のだめカンタービレ』18巻

のだめカンタービレ (18)(講談社コミックスキス)

のだめカンタービレ (18)(講談社コミックスキス)

何とも爽やかな表紙とは裏腹に、のだめと千秋はさまよって、ふらついてる。そして、すこしずつ離れてる?ちょっと停滞していた千秋の前に、一条の光のごとく現れた、千秋の人生を変えたあの人。一方のだめは、遅れてやってきた思春期の出口を前にむずむずとむずがってるようで。そんなときに限って千秋はいない。孤独の二文字が、突き刺さる。渡欧してから、ゆるゆると続いてきた流れが、ここにきて急流のごとく変化を遂げる。ああ、“Kiss”誌上ではどうなってんのかな。読みたくなっちゃうじゃないか!
しかし、軽妙なコメディから、すこしずつ主人公の成長譚に移行してきたこのお話。それは、「ドラゴンボール」「キン肉マン」の頃から、長期連載化における定石みたいなもの。変わる前も今もまた別の面白さがあるし、いつまでも読んでいたい気持ちはある。けれども、月刊誌連載で18巻。たいした長丁場です。一体どこに着地するんだろう?どんな終わり方をするのだろう?という興味も、正直ここまでくると沸いてくる。
世の中にはせっかく面白かったのに、続きすぎて、いや続けさせられすぎてついには破綻して、悲しい終わり方をした漫画もたくさんある。同じ版元の週刊少年マガジン界隈は、途中から続けることが目的みたいになっちゃって、結果単行本30巻近く出しているのに連載はこれが最初の一本、といういびつな経歴を持たされてしまう漫画家もけっこういますからね。あんまり続きすぎると次の手がかえって難しくなる、ということもある。すでに百戦錬磨の二ノ宮センセイだから心配は要らないのかも知れないですけど、せっかくここまできたのだめにはこうなってほしくない。スパンと、二ノ宮センセイが思い浮かべる、極上のラストをきっちりと迎えられますように。
ああ地平に果てはあるのか、ブライアン。しかし絶妙なサッカーネタには、ちょっとほくそ笑みを浮かべてしまった。
そういや二ノ宮センセイの作品といえば、フカキョン主演でドラマ化された「GREEN」が有名だけれど、私はこれも好きです。やや無理やりかな?という面もありつつ、良質のジュブナイル小説みたいな楽しさがある。そして、ツンデレなめがね男子もいないことはない(ニヤリ)。