うららかびより

家族のこと、趣味のこと、その他いろいろなこと

世界まる見え西野朗

いくつになっても仕掛けずにはおれないもの、それがイタズラ。こうしている間にも、世界のどこかでイタズラ愛好家たちが誰かをわなにはめている。
今回は毎週パンチの利いたイタズラでターゲットをきりきりまいさせている、吹田ケーブルテレビの人気番組「バナナはおやつに入りまっせ」の中から、とっておきの映像をご覧頂こう。
題して「地肌見えても姿は見せず」

ここは宮崎・綾町。Jリーグ一部J1所属クラブ、ガンバ大阪が例年キャンプを行う地である。向こうからやってきた浅黒い短パンの中年、西野朗。Jリーグ最多勝監督にして、ガンバ大阪に初めてリーグタイトルをもたらしたこの名将が、今回のターゲット。
いつもどおり朝早く練習場にやってきた西野。一番乗りである。
ボールを使っての指導に備え、入念にストレッチをし、体をほぐす。
そこへ家長昭博がやってきた。眠たげに目をこすりながら、歩いてくるこの男、よく見ると寝癖で髪の毛は跳ね放題。靴下もレガースを抜いたまま、だらしなく弛ませている。
今年も優勝候補に挙げられているだけあって、見学者も多数見込まれているというのに、プロのフットボーラーともあろうものがこんなにだらけていいものか。西野が雷を落とそうと一歩踏み出した、次の瞬間!
「ギャッ!」
なんと家長はまるで西野が見えていないかのように、出された足を踏みつけて通り過ぎてしまったではないか。タフなダンディーとしてのなけなしのプライドで、涙をこらえる西野。「こらっ、謝りもしないのかお前は!」そんなお叱りはお構いなしに、鼻歌交じりでストレッチを始める家長。もちろん彼は今回の仕掛け人である。そんなこととは知らない西野は、普段から微妙に失礼なやつだがここまでとは…と憤るものの、集まりだした見学者の視線を察して拳をしまう。そのしぐさもまた、ダンディーである。
そうこうしているうちに、選手やコーチ陣も集まってきた。とここで主将の實好が首を傾げて一言。
「あれっ、監督おらんなあ。どこいかはったんや?」
すかさず山口が意見する。
「うんこでもしてるんやないすか。おっさんの便所て、ほんま長いからあきませんわ」。
それを受けた實好はここぞとばかり、
「そんなんまってられんよなあ。片野坂さん、早よはじめてしまいましょう」
「おう、じゃみんな集まれ」
ギョッとする西野。目の前でこのようなやりとりが交わされては、それもいたしかたあるまい。実はこの三人も仕掛け人。それにしても實好、ノリノリである
結局片野坂新コーチの音頭で、練習が始まってしまった。「西野がおらんほうが、気い楽でええわあ」「活気があるしなあ」「まぶしないしなあ」「アハハそれゆうたらあかんわ」と言う声も出てしまう。唖然とする西野。心なしか普段より統制が取れていないこともなかったりなんかしちゃったりして。俺がいったいなにをしたというのか。今日は朝からついてない西野である。
そうこうしているうちに食事の時間となった。食卓につく選手達。西野もモヤモヤしつつ、空いている席に座る。
すると驚くべきことが。なんと新加入の大型FWバレーが、西野の膝の上に座ってしまったのである。なにごともないかのように胸元で十字を切った後、昼食をほおばりだすバレー。あまつさえ勢い余って、ドバドバ食べこぼすバレー。これは西野もたまらない。どけ、それは俺のメシだ。いい歳こいて、食ったそばからこぼすんじゃない。体を動かして抵抗する。しかし元日本代表といっても、所詮そこは50がらみのオヤジ。巨漢のバレー相手では、びくともしない。しかしバレー、二重の意味でノリノリである
するとさらに驚くべき展開が。西野の頭上をたくさんのパイが飛び交いだした。
「藤ヶ谷、誕生日おめでとう!」
そう、今日は新婚ホヤホヤGK・藤ヶ谷の誕生日なのだ。
ベチャッ、ベチャッ!
壁にパイの花が次々と咲きみだれてゆく。食堂にいる一同はみな、いい男もそれなりの男も、クリームが体から滴り落ちるほどである。
お前ら、それをやるなら小麦粉と卵を外でぶつけろ、宿の皆さんに迷惑じゃないか。と、西野が口を開いた次の瞬間!
ベチャベチャベチャベチャッ!
西野の顔面めがけて、パイが雨あられのように襲いかかってきた。ターゲットだったはずの藤ヶ谷も、いつの間にかパイを手にし、西野へ投げつけている。これにはさすがの西野も堪忍袋の緒が切れた。「お前ら、俺が見えるのか見えないのか、どっちなんだ!」
さすがにかわいそうなので、ここでネタばらし。これがすべて仕組まれたイタズラだと知った西野は、ほっと胸をなで下ろすとともに、慌てて地肌についたクリームを洗いに行くのだった。

すみませんすみません。微妙に未来のこと書いちゃってすみません。藤ヶ谷の誕生日は13日ですんで、キャンプ見学者のみなさんは早めのチョコといっしょにおめでとうと一言かけてはいかがでしょう。しかしパロディは難しい。まだまだ修行です。
余談ですが「どこよりも早い名鑑」という見出しにつられて、中身も見ずに買ってしまい…一分後に後悔しました。ガンバの連中の写真は、去年のでした(遠い目)。
ガンバサポは黙って、川原崇についていけってことですね、ハイ。