うららかびより

家族のこと、趣味のこと、その他いろいろなこと

はてな復活/映画「マリー・アントワネット」

出先から携帯にて、確認しました。なんだかんだでアンテナ、ダイアリー、ブックマーク、カウンターとはてなをフル活用しているので、メンテナンスが無事に済んで良かったです。
私はというと、空きっ腹のまま受けた健康診断は、無事終了しました。結果は2週間後、郵送されてくるとのことです。山手線円内の割には、「金八先生」で、暴力沙汰を引き起こした生徒がかつぎ込まれるのってこういうとこだよな、という感じの懐かしめ施設。「体について何か気になる事はありますか」と尋ねられたので、「最近やけに疲れやすいのですが」と正直に話したものの、「それ、病気とかじゃないですね」とスッパリAクイックでたたき落とされました。トホホ。
その後はとにかく腹が減っていたので、カフェのランチ(オムライス)にデザート(チョコレートタルト)をつけてモリモリくい、締めはカモミールとりんごのブレンドティー。やけに鼻の利く家人がくさいくさいとうるさいので、普段自宅では、香水はおろかスキンケアも香料入りのものは使えない有り様なんです。けど、疲れをとるのには香りの作用も大事ですね。カモミール、やっぱり大好きだ。
その後半端に時間が余ったので、映画「マリー・アントワネット」を観て、バレンタインデー*1のネタ仕込みを済ませて帰るところです。けっこうな量を採血されたのに、気がつけば運動量多すぎ。昼に少し食べ過ぎたかと思ったくらいなのに、もうとっくに減りました。久々の1日一人行動だったので、テンション上がってしまったようです。明日は大人しくしよう…。

映画「マリー・アントワネット」感想(ややネタバレあり)

全編を貫くX-GIRLとMILK FED.的な空気、それからアメリカインディーロックの、歪んで乾ききったギターやニューロマBGMに支配され、画面はペールピンクにミントグリーン、モカブラウン、アイスブルーと、パステルカラーの洪水。まさにガーリィ。
ただ、そんな世界に暮らすマリーは、ちっとも幸せそうに見えませんでした。空気読めない旦那*2や、最早当初の目的が見失われて形骸化したしきたりと欲と計算だらけの貴族社会という、ダブルにきっつい抑圧が常に両肩へのしかかる。取り巻きはいても味方や親友はいない。母は「早く子を産まないといつまでも立場が不安定」とせっつく。最近のくされへっぽこタコ柳沢大臣の弁じゃありませんが、この状況こそ「産む機械」扱いだなあと。画面のポップさと、その状況のコントラストが痛々しい。起承転結は乏しいのっぺりとしたリズムでお話が進行してゆくのに、乱痴気騒ぎのあとの食べ散らかされた皿や、夜通し灯されてドロドロにとろけたローソクなどをやけに丹念に描くものだから、「祭りの後の薄ら寒さ」感は倍増。このへん「女の子を抑圧してグレさせる男系社会」にたいする、ソフィア・コッポラの怨念を感じました…。
思えばデビュー作「ヴァージン・スーサイズ」も、綺麗な女の子が周りの環境に抑圧された挙げ句、次々に命を絶つお話でした。ここでも彼女たちを取り巻く男の子たちは、結局彼女たちの心を最後までわかり得ないまま…ということは、2本の映画とも、題材はおなじ「空気の読めない男はくたばれ」ということか(ブルブル)。
でもなあ…正直ちと退屈でもありました。繰り返し書きますが、展開に抑揚があまりない。そういうキツい宮廷生活だったということなのでしょうが。
ただ、ベルばらでもお馴染みの逢い引き相手・フェルゼン伯爵が松井稼頭央フランチェスコ・トッティ÷2という容姿の人で、個人的にはウップップと笑いを堪えるのに必死でした。あと、ラストシーンの唐突さは「ドランクモンキー酔拳」に匹敵します。そこがラストかよ!と。ポカーンとしたままエンドロールを見つめてました…。サッカー好きにわかりやすい例えで表現しますと、去年最後のオシムさんズ国際試合における、闘莉王の大宇宙開発を観たときと、同じ気持ちでしたねえ(ひーごめんなさい、ネタですネタなんです)。「酔拳」は半ばネタ映画なのでいいんですが、あのぶつ切り方が「で、結局この映画何なのさ!」とまじめな人の反感を倍増させそうです。そういう人は、遠藤周作の「王妃マリーアントワネット」でも読めばよろしいかと。
結局、いつの御時世もそれなりに自我を持って自分の足で立ちたい女の子は、自分を騙して周りと折り合うか、すさんじゃうかの二者択一になっちゃうのかなあ…。彼女の場合、ローティーンでブルボン王家に嫁いで、右も左もわからぬままプレッシャーをかけられて、親身になって悪いことを悪いと言ってくれる人に恵まれなかった、というのも大きいかも。
ポップやニューロマ/ニューウェーブ寄りで選曲されたBGM(ケヴィン・シールズのリミックスもサントラに入ってる)も、華やかさと裏腹のもの悲しさを増幅させます。キラキラと輝く音の粒は、ギュッと握ると簡単に潰れて消えてしまいそうなくらいもろくて儚くて。今回ソフィアがビジュアル面でインスパイアされたという、色とりどりのマカロンそのもの。壊れるからその美しさは尊いのか、その美しさゆえにすり減らされるのも早いのか。「おもしろうて、やがて悲しき」。そんな言葉が頭をよぎりました。

映画館はSpringやSoupを読んでそうな女の子だらけでしたが、その実色々きつい映画でした…ぐたり。でもサントラはほしいな。キルスティンかわいい。

マリー・アントワネット オリジナル・サウンドトラック

マリー・アントワネット オリジナル・サウンドトラック

*1:今年はよしこ、ジーロングまではきてくれないんだろうな。ってこれは千葉ロッテネタ

*2:ベルばら版ルイ16世によく似てる