うららかびより

家族のこと、趣味のこと、その他いろいろなこと

断線ショートショート

海の向こうで何かやっているようだけれど、ろくにテレビを見られない程度に忙しいこともあって、遠い宇宙の出来事みたいに遠く思える。せいぜい「イナバウアー」という単語を耳にして、「ベッケンバウアーの家に婿入りした稲本」を連想するくらい。たくさんの人が必死こいて感動しようとしているのに、私はつめたいのだろうか。
世の中の大まかな動きから切り離されて、一人ぽつねんとする。昔は平気だったことが、今は微妙に鳩尾をえぐられるようでこたえる。群れなければ生きていけないなんてくだらないし、一人で何でもできるようにならないと一人前とはいえないと思っていたけれど、それは願望の裏返しだったのかもしれないな、とふと思う。そうした反発心を支えてきたつっかい棒的な意固地さが、年月によって風化して、崩れかけているのだろう。
ここ一年、風邪らしい風邪は引かずに健康でいるけれど、果たして「うちがわ」はどうだろう。いや、そもそも「健全な精神」って何なんだ。最大公約数であるはずなのに、ふつうが一番難しい。メインストリームからはずれていくことは、あれほど簡単なのに。或いは、ふつうを求めてもがくさまこそ、平凡そのものかもしれないけれど。