うららかびより

家族のこと、趣味のこと、その他いろいろなこと

帰ってきたらあらびっくり

新宿まで、映画「フライ,ダディ,フライ」を観に行ってきましたよ。原作となった金城一紀ゾンビーズシリーズを愛読していたのと、主役の鈴木一役が堤真一だったのに釣られて観に行ったんですが…期待以上に面白かったです!ひとりの平凡なおっさん(ゆうても堤真一なんで人並み以上にかっこいいすが)の頑張りを、偽善や皮肉を抜きにしてサッパリと描ききってみせた映画は、「Shall we ダンス?」意外久々に観た*1気がしました。
世間の通例に抗って、なにかを成してみるのはとても難しい。けれどもできるかどうかはやってみないとわからない。多少都合のいい筋書きかもしれないけど*2、「知恵と工夫と本能と勘でガンガンいっちまえ!」と無菌的にできあがっちゃってる空間にずけずけ進出して巻き込んでいくゾンビーズの面々は、実写になってもやっぱり痛快だった。南方が思ったより知的な男前、茅野はハンサムなゴンタロって感じ。山下は原作以上にどうしようもなく、ヒロシを見るとこれから先の彼の運命を思うにつけ、その元気さが悲しく見えたりして。スンシンの見た目イメージは、岡田准一よりもむしろ石原役の須藤元気に近いものを抱いていました(あんなに演技が達者な人だったんだなあ)。実はゾンビーズの中ではスンシンが一番すきな人物なので、生半可な演じ方はしてほしくないと思ってました。見た結果は、岡田スンシンもあり!。マッチョになりきらないギリギリの線で、匂い立つようなダンディズムが出ていましたね。年齢を超えて存在する、人間としての魅力。
あと印象に残ったのは、とても繊細なカット割り。それはマンガ的でもあり、昔の欧州映画風の詩的な部分も感じたり。うわべだけでない、人の気持ちを惹きつける豊かな表現ができる人。この監督の作品をまた見たいなあと思いました。最近残念な報道もあったけど、出来ればまた撮って欲しい。
この映画が原作の雰囲気を損なわずに、きっちり娯楽作品としてまとまってるのは、原作者の金城氏が脚本を担当してるのも大きいと思います。設定や話の上でトリッキーな部分がとくになくとも、結局観たいのはひと臭いひとたちの営みや息づかい。人の気持ちの力。それがこの映画では、気持ちよく鮮やかに描かれていて。ほんと楽しかったです。
あと、久々に行った喫茶らんぶるの夏限定コーヒーゼリーは旨かったなあ。ベトナム風に下がコンデンスミルク、上がゼリーの2層構造になってて、かき混ぜてから食べるのです。元々あそこのコーヒーは美味しいけど、くせになる味でした。

そういうわけで、ジーコさんズは見られなかったんですけど。負けてしまったそうで。達也君と巻君は代表デビューできたようですが、なんでこう「久々に集まったあとの最初の試合」は勝てないのでしょう(^◇^;)。女子はきっちり勝ってほしいなあ。

*1:といってもそんなにガンガン映画を観倒しているわけではないので、ほかにもあるかも?

*2:夏休みの約1ヶ月だけで、普通のおっさんがあそこまで戦えるのかどうか