うららかびより

家族のこと、趣味のこと、その他いろいろなこと

生後147日:まだまだ続くよ、戦場のボーイズ・ライフ

今年に入ってから、なかなか気持ちに余裕が持てなくて、少しブログから遠ざかっていた。TwitterInstagramには書けるものの、まとまった文章を残しておきたい…と身構えてしまうと、どうもだめだ。もうちょい気楽に書けたら、と思う。

魂子の乳歯は2本目まで順調に抜けて、3本目がぐらぐらし始めている。抜けるのも時間の問題だろう。小学校の入学説明会でいろいろと圧倒され、慌てて準備をすすめている。入ったから一安心じゃない、新しい挑戦の始まりだ。共働きだからとご近所付き合いの無さがいまになって仇となり、登校班も下校班も、知り合いが一人もいない。授業中に疲れて寝てしまう子がいるので、9時までには寝ましょうと言われて、震え上がっている。保育園って、恵まれていたなあと思う。カーチャンもピカピカの一年生、がんばろう。

そして、ピーくん。4月以降も引き続き、病院にいることになりそうだ。お鼻に付けた呼吸器の離脱練習を毎日行っているが、持続時間には相変わらずむらがある。ゆっくりながらも成長し、体が大きくなってきたのは喜ばしい。しかし小さな体の割にはどっしり大きな心臓もまた、少し大きくなった。薬が1種類減った*1けれど、病状は良くなるわけではなく、やはり少しずつ悪くなっている。ちょっとゆるやかに、だいぶ柔らかに、かなり確実に、違っていくだろう…なんて、ミッシェルの「世界の終わり」の歌詞が頭をよぎる。

もうすぐ5ヶ月だけれど、腰はおろか首もすわる兆しは無い。たまににやっとするのは微笑みなのかなあ…そんな感じ。でも、お腹の中にいるときからずっと、病気や痛みにつき合っていたこの子は、病弱で弱々しいどころか、相当にたくましい。嫌なときははっきり泣くし、どんなにカンカンに怒っていても、お風呂の気持ちよさにはいつも負けて寝てしまう。ご機嫌なときは、目をかっと見開いておしゃべりをする。一所懸命、生きている。訳も分からずに生かされているのではなく、その日その日を全力で生きている。

とは言え、いつか、近い将来この子を見送るという運命は変わらないだろう。昨日ピーくんは、生後147日を迎えた。この日は、ピーくんより少し早く生まれて先日短い生涯を終えた18トリソミーの男の子が、ご家族に見送られてお空に帰った。その時間、彼が迷わず天に着けるよう、ピーくんと二人でNICUの窓から空を見ていた。同じ病気という戦場で戦ってるお友達が、次々に倒れていく。そのたびに命のバトンを託されて、それをいつか誰かに託す日も来るだろう。その時がいつ来るのかは、誰にも、本人にさえもわからない。だから一日一日をコツコツと、精一杯一緒に生きようと思う。やれることをやれるだけ。無理はしない。そのちいさな成長を見逃さず、ずっと覚えていけるように、目は逸らさない。自分はピーくんのセコンドなのだと思って、共に歩むのだ。育児休業も延長手続きを始めたし、とことん付き合う所存。

https://www.instagram.com/p/Be-MFfjlpMF/

生後142日のピーくん。はて、このまつげの長さは父方と母方、どちらからきたのか…。顔の作りは有名どころで言うと小堺さん似で、至って素朴な仕上がりになっています。ほっぺはクレヨンしんちゃんみが増してきましたね。今日も魂子のお迎えリミットギリギリまで、だっこしたりお風呂に入れたりと、いつも通り過ごしました。「いつも通り」この言葉がこれほど尊く、しみじみと有り難いとは。昨日から一回の注入量を50mlから55mlと増やしていただき、様子見中です。私が立ち会った時は少し胃残があったものの、注入量の10%以下ということでギリギリセーフ。体重は3,178gと、微増です。やったね。グーの手の甲が少し赤黒いのは、採血を頑張ったしるし。偉いぞピーくん。次はお父さん、お姉ちゃんといっしょに家族面会です。まだまだ入院生活は続くけれど、一緒に頑張ってゆきます。カーチャンは出たばかりのFSS14巻読んで、エネルギーチャージだ(えっ)! #ピーくんの成長 #18トリソミー #trisomy18 #nicu #生後4ヶ月 #sonya6000 #α6000 #sonyalpha #親バカ部 #babyphotography #赤ちゃん

https://www.instagram.com/p/BfDnPMGFwAs/

今日はお父さん&魂子と一緒に面会してきました。お友達を沢山連れて行ったので、病室が一気に賑やかに。許可をいただいて、メロディを流せるぬいぐるみも連れて行きました。聞き慣れない音に触れて不思議そうだったピーくん。眠くなるお薬の効果も手伝って、穏やかに夢の世界へ。単調になってしまいがちな入院生活のいい刺激になったかな?#ピーくんの成長 #18トリソミー #trisomy18 #nicu #生後4ヶ月 #fisherprice #マーくん #dbスターマン #くまのプーさん #sonya6000 #sonyalpha #α6000 #babyphotography #picosweet

*1:無呼吸発作に効く無水カフェインを止めた

2018年1月21日の面会メモ(生後4ヶ月/123日)

週に一度の家族面会。ピーくんが生後4ヶ月を迎えてからの初対面なので、私と魂子でお祝いのイラストを合作し、持って行った。

https://www.instagram.com/p/BeMqw0Alu10/

主線とピーくんの着色は私、ほかの着色は魂子が担当した。自分ではやらないような元気な色使いが新鮮。いい意味で子供らしく、素直だなあ。

ご機嫌斜めとそうでない日がはっきりしてるピーくん、この日は私たちが到着するまで、泣いてしまっていたようで…。ファミリールームに連れてきて貰ったときには落ち着いたものの、面会中に何度もグズグズ。そのたびに家族総出であやしたのだった。魂子の読み聞かせも様になってきたし、私もピーくんの喜ぶツボを少しずつ学んできている。夫も仕事の都合で私以上に面会頻度が少なくなってしまっているが、ピーくんへの愛情は変わらない。

この赤ちゃんに全て振り回される感じ、魂子のときを思い出して懐かしい。家族の中で一番幼く、ふわふわとした儚い存在なのに、いつの間にやら中心にどっかり座ってる。例え病院の中だけだとしても、この時は私たちは四人家族なのだという強い実感があった。あまり長いこと泣かせると心臓の負担が大きくなるので、ヒヤヒヤしてはいたが、同時にとても幸福に満ちていた。ここが家だったなら。ピーくんとずっと一緒に、生きていられるなら。鼻の奥が若干、ツンと来てしまった。

先週と同様、面会時間を早く切り上げて普段の病室に戻り、呼吸器を着けることになったピーくん。平日は離脱時間を伸ばせているとはいえ、心配は尽きない。けれど、家族にできることはまず、彼の生命力を信じること。応援すること。サッカーや野球で、生活の一部として続けてきたことが生きている…かもしれない。

翌日月曜日と火曜日は関東地方に久しぶりに降った大雪のために、面会は控えて魂子とのんびり家にこもっていた。不安定な気候の下で急変してしまわないか心配だったけれど、特に連絡もこないことから、我が家よりも丈夫で暖かい病院内で穏やかに過ごせているようだ。明日は会いに行こう。

https://www.instagram.com/p/BeN7EYAFtyE/

魂子とピーくん。今回の家族面会でも、お人形や絵本を通じて仲良く遊んでいました。#魂子の成長 #6歳 #保育園児 #ピーくんの成長 #18トリソミー #trisomy18 #nicu #生後4ヶ月 #α6000 #picosweet

https://www.instagram.com/p/BeSY61GFRAP/

昨日今日と雪のために、魂子を保育園に連れていけず、ピーくんにも会いに行けず…。今頃注入の時間だなあとか、心臓に負担をかけず穏やかに暮らせてるかなあとか、魂子と遊ぶ間にちょこちょこと考えていました。明日は会いに行かないと、寂しくて仕方ない。厳しい気候はしばらく続きそうですが、急変しませんように…。 余談ですが、少し前からスマホカメラで撮影すると周辺部のピントが甘く写るようになりました。AF使ってピントを合わせているはずなのに、なんでだろう?容量空けるか、修理に出すか…悩みどころです。#ピーくんの成長 #18トリソミー #trisomy18 #nicu #生後4ヶ月 #コピックマルチライナー #無印手帳

 

2018年1月19日の面会メモ(生後3ヶ月/121日)

いつも通り昼過ぎに病室に着くと、目を閉じてグウグウ寝ていた。どうも朝からご機嫌ななめで落ち着かない様子だったようで、通常昼間の注入時に投薬する眠くなる薬を、少し早めにあげたのだそう。「赤ちゃんは泣くのが仕事」なんて言うけれど、先天性心疾患を持つピーくんにとっては、あまり泣き続けると負担になってしまうのだ。早めの判断に感謝した。薬はよく効いているようで、私が残りの投薬と注入の準備を終えた後でもぐっすりと、夢の世界に浸っていた。ミルクがピーくんのおなかの中に満ちていく間、ほんのりと温かな背中をさすった。赤ちゃんはどんな夢を観るのだろう。

呼吸器離脱が始まると共に目覚めると、やはり不機嫌なようでグズグズ。ピーくんはご機嫌な日と不機嫌な日の差が、気持ちいいくらいはっきりしている。この日は後者だったようだ。いろいろな方法であやしているうちに、タオルで体を包んでかわいい蓑虫みたいにしてあげると、ピタリと泣き止んだ。

実は熱があがりやすく、子供用の氷枕などでクーリングしてもらうことの多いピーくん。熱がこもるのを気にして、今まではこのように包むことはなかった。でも、本人にとってはツボの一つだったようだ。

思えば魂子も、赤ちゃんのころはタオルや毛布に包んでトントンすると、コロッと寝てしまったものだった。やはり二人は姉弟なんだな。ふとした仕草や好みなど、細かなところでつながっている。魂子のことまで思い出されて、ますますピーくんが愛おしくなった。

落ち着いたところでお風呂の準備を始める。オムツ一丁になったところで、体重を測っていただいたところ、3,080g。少しずつでも、体重が増えていると安心する。身長も伸びてきた。沐浴後はしばらく落ち着いていたが、不機嫌なのか苦しいのか、再びグズグズ。またしても蓑虫ピーくんに変身すると、腕の中で穏やかになった。

ピーくんが生まれる前からweb上で少しずつ、18トリソミー児を持つ親御さんのブログを拝見している。ディスプレイ越しの関係であっても、成長やかわいい姿を観られることは嬉しい。しかし、1人、また1人とその子達は空へ帰って行ってしまうのだ。本当に突然、あっけない。これが短命と言われる所以なのか。急に戦友を失ってしまったような、何ともいえない寂しい気持ちにおそわれる。その子達から受け継いだ命のバトンを、ピーくんはいつまでその手に持てるのだろうか。生まれて間もない幼子が歩むにはあまりにも過酷な、この戦場のボーイズ・ライフ。併走しているに過ぎない私でも、しばしば打ちのめされそうになるというのに。

もっと自分が、強くいられたらいいのに。腕の中にいるかわいい息子の安寧を、守れる程度でいい。それくらいの力がほしい。生まれる前から心配事が多かったこの子がようやく迎えた生後3ヶ月最後の日、そんなことを思った。

https://www.instagram.com/p/BeIDAdUFxB3/

3ヶ月最後の日を迎えたピーくん。今日は朝から不機嫌だったそうで、呼吸器離脱の練習中も泣いてしまいました。しかし、おくるみに巻かれてみのむしみたいになると、ご機嫌に。熱が上がりやすいので今まではあまりくるんだりしなかったんですが、いちかばちか挑戦してみたおかげで、新しいツボが発見できました。魂子もタオルや毛布にくるまれるとよく寝落ちしていました。姉弟そっくりですね。これからも、お熱の様子を見ながらくるんでみよう。#ピーくんの成長 #生後3ヶ月 #18トリソミー #trisomy18 #nicu #イラスト #イラストレーション #クリーンカラーリアルブラッシュ #コピックマルチライナー #マルマン #スケッチブック #親バカ部

2018年1月17日の面会メモ(生後3ヶ月/119日)

1日休んでから、ひとりで面会。目をきょろっとさせて、お出迎えしてくれた。ちょうど投薬と注入の時間だったので、看護師さんの代わりにさせてもらう。記憶力の減退を実感する今日この頃だが、繰り返して行くうちに少しは手際が良くなってきた気がする。

ただ、苦手な手技がひとつだけある。注入を始める前に、栄養摂取のためのマーゲンチューブがちゃんと胃まで達しているか確かめるため、シリンジで少量の空気を押込む。お腹のあたりで耳を澄まし、わずかに「ポコッ」と音がしたら、押し込んだ空気が出てきた証拠なので合格。ただ、NICU内は機械音、アラーム音が常に鳴っていて*1、この音が聞き取りにくいのだ。単に、加齢で耳が遠くなっている可能性もあるのだが。とほほ。耳掃除、念入りにやっとこうか。

そんなこんなで、注入を開始した。やや高めの位置から吊るした容器から、重力にしたがってミルクが細いチューブを流れていき、ピーくんのお腹まで到達する。注入中は動かさないで、安静にさせる。だっこをすることもあるけれど、この日は熱があったので冷やし枕を使ってベッドに寝かせていた。頭をなでなでして、たくさん話しかける。やれ外は雨だとか、お姉ちゃんは保育園で元気に遊んでいる、とか。どこまで伝わっているかわからないけど、少しでも刺激になればいい。

注入が終わって私が注入用容器を洗っている間に、担当看護師さんが呼吸器離脱の準備をしてくれた。最近は5時間離脱も出来るようになってきたので、主治医の先生からは「余裕があれば6時間まで伸ばしていい」と指示を受けているとのこと。すごいなあ、ピーくん。小さな体で頑張っている。息子の成長に勇気付けられる。

離脱開始直後は少し泣いてしまったが、やがて慣れてくると、うとうとしてきた。昼間の薬の中に、心臓に負担をかけないよう眠くなる効果のものが入っているからだ。背中をとんとんと叩いてあげると、目がとろんとしてますます眠そうに…。でも、寝たかと思ったら10分くらいで目覚めたりして、この日は覚醒とまどろみの間をいったり来たり。でも苦しそうではなかったので、安心だった。

ピーくんは口からよくぶくぶくと分泌物を出す。口中に多いときは看護師さんに吸引してもらう。それが唇や口角で固まるとなかなか取れないので、濡れコットンでふやかしてから拭き取ることになる。この日も、唇の上下に固まりがついているのに気づいたので、うとうとしている間に拭き取ろうとしたら…ペチッと手の甲に何かあたった。ピーくんの手だ。たまたまかなと思ったら、何度も当たる。拭くのをやめるとおさまった。しかし、再開するとまた当たる…。

やがてわかった。多分、これはピーくんなりのささやかな抵抗。だだっ子パンチだったのだ。濡れコットンは冷たいから、ぐいぐい拭かれるのが嫌だったのかもしれない。そりゃあ、いいことばかりじゃないよね。これは小さな息子に芽生えた感情の発露。そう思うとふにゃふにゃしたネコパンチ攻撃すらいとおしい。この日はだだっ子パンチ記念日として、胸に刻んでおくことにする。固まりはガッツリ拭き取ったけども。

このほかに、熊のおもちゃであやそうとしたときも、腕をブンブン振っていた。お手ての使い方、めきめき上達している。時々グーの手をあわせていることもあるが、にぎにぎはしないので、ハンドリガードはもう少し先の話になりそうだ。

一方、お風呂では久しぶりに泣かせてしまった。洗っているときに何度も酸素を流すカニューレがずれてしまい、それがとても嫌だったようだ。怒って泣いてしまったが、タオルにくるんで押しぶきすると、いつものほっこりピーくんに戻ったのだった。

離脱時間が長かったので、途中で帰る時間になり、後ろ髪引かれる思いで病院を出た。魂子のお迎えがあるため、いられる時間は限られている。いつか、時間なんて気にせずずっといっしょになれるようになったら…と帰り道はいつも思う。

余談だが、病院を出る時間が少し遅くなってしまったので、いつもの空いている路線のバスに乗りそびれ、ぎゅうぎゅうに混む路線で帰るはめになった。帰宅時間帯のため道が混んでいてバスが進まず、結局およそ45分立ちっぱなしでいるはめになってしまった…。尋常じゃなく疲れて、そのあとのお迎えや家事もつらかった。翌日(すなわちこれ書いてる今日)になってもしんどく、人にペースを乱されるだけでいらいらしてしまい、やる気も起きなかった。面会もお休みした。

ちょっと前まで、都内まで通勤していたというのに、この体力の低下は一体…。何だかんだで、産後まだ半年も経っていないという事実を身にしみて感じる。無理は出来ませんなあ。できることをできるだけ、少しずつ。気ばかり焦ってしまいがちなので、心がけていきたい。

 

*1:個人的に「魍魎の匣」を思い出す

2018年1月15日の面会メモ(生後3ヶ月/117日)

前日の面会がしり切れとんぼになってしまったのが心配になり、本当は1日休むつもりだったけれど、行くことにした。

病室に着くと、手足をゆっくり動かしておめめぱっちり。注入後お腹が落ち着いたのを見計らって、お風呂開始。ほぉ~っと、いつものほっこり顔を見せてくれる。「いつもの」「問題ない」…昨日の状態を思うと、こんな何気ない言葉を使えることすら、ありがたく思う。

私たちの生活は、よくある赤ちゃんとの暮らしとはかなりかけ離れてしまった。しかしだからこそ、自分達にとってのあたりまえが大事に思えてくる。とは言え、明日には嵐のように急変してしまうかもしれないという怖さは、心の片隅に必ずある。無理矢理押さえつけるとかえって苦しくなるから、うまく付き合って行きたい。1日1日を大事に。

新しい肌着とおむつを身に付けてから、抱っこした。ほんのりとした温かみと重み。ぷくぷくとした頬。眠くなると白目をむいたり、寄り目になったりするのが面白い。素直に、かつゆっくりと眠気に負けて、コックリコックリしていく。表情ひとつひとつの変化がたまらなく可愛い。生きている証を両手にビシバシと感じる。そのせいか、この日は抱っこすればするほど、帰りの時間が近づいてくるのが寂しかった。だから帰る時間ギリギリまで、抱き締めていた。

一緒に暮らせば、時間なんて気にする必要もなくなるのだろうな。そんな日が来たらうれしい。

https://www.instagram.com/p/Bd-FNZslCIj/

本日生後117日を迎えたピーくん。最近は呼吸器付けててもサチュレーションがひくくなって苦しがってしまったり、心配が続いていました。しかし今日は久しぶりに穏やかで、可愛い表情をたくさん見ることができました。最近よく手足をばたつかせます。もうすぐ4ヶ月、動きたい欲求が出てきたのかな?#ピーくんの成長 #生後3ヶ月 #18トリソミー #nicu #クリーンカラーリアルブラッシュ #マルマン #スケッチブック #イラストレーション #イラスト #親バカ部 #drgrip #trisomy18

昨日は体を休めるために、面会をお休みした。なにもせずダラダラと横になったのなんて、久しぶりで嬉しかった。そして夜には、18トリソミー児写真集への寄せ書きを家族で書いた。完成が楽しみだ。

https://www.instagram.com/p/BeAsrfilkhI/

写真を載せていただく予定の18トリソミー児写真集で家族の寄せ書きを募集されていると知り、家族3人でピーくんへの思いを書きました。上から順に魂子、私、夫です。ピーくん、病院で穏やかに過ごせているかな?1日ゆっくりしたので、明日は会いに行ってきます。#ピーくんの成長 #18トリソミー #trisomy18 #nicu #生後3ヶ月

2018年1月14日の面会メモ(生後3ヶ月/116日)

家族3人に加えて、義父と共にファミリールームで面会。

前日ひとりで面会に行った夫いわく、呼吸は安定しているが熱はあったとのこと。お風呂に入れたらご機嫌になったそうだ。木曜日にアラーム音が連発していたときよりも、落ち着いて来たようだ。

面会時間に合わせて呼吸器離脱を始めたピーくん、手足をバタバタ動かし、時々アッ!と発声。魂子の赤ちゃん絵本読み聞かせにじーっと聞き入る様子を見せるなど、積極的な反応を見せた。ゆっくりではあるが自分なりの発達をしている姿に、おじいちゃんも安心した様子。前回会った時は、コードやチューブが沢山ついたピーくんの様子に、「痛々しいねえ…」と心を痛めている感じだったけれど、その時よりはピーくんの病気を受け入れてもらえているのかもしれない。

注入の時間の前に、沐浴。肌着とおむつを脱がせて、担当看護師さんにモニター用のセンサーをとってもらい、酸素を流すカニューレのみ着用したピーくんをそうっと、ベビーバスの中へ入れた。いつもよりびっくりしたような顔つき。少しお湯が熱かったかもしれない。あっ、あったかい!と言わんばかりに目が大きくなり、キョロキョロしだした。

普段呼吸器に繋がれてベビーベッドに横たわるピーくんは、体験できることや感覚がとても少ない。でも、快いとか好きだという感情が育っているのがはっきりとわかるから、ピーくんの沐浴は私にとっても癒しであり、ホッとする一時なのだ。物言えぬ小さな我が子が、痛みや呼吸の苦しみを日々感じている中、一息ついてリラックスできる機会を与える。私にできる数少ない、親らしいことだ。

生まれたときから髪の毛がふさふさで、長くなってきたので、そろそろシャンプーが必要かもしれない。「気持ちいいねえ」「ふさふさだねえ」と、とりとめのない言葉をかけながらピーくんの全身を洗っていった。長湯は体の負担が大きいので、手早くしっかりと洗う。このへん、魂子の時の経験が生きている。

風呂から上がったピーくんをバスタオルで蓑虫みたいにして、優しく押しぶきしてから服を着せていき、綿棒で耳掃除する。ピーくんの耳は18トリソミー児の特徴をよく現していて、小さく複雑な形をしている。ひっそりと咲く野ばらの花のようだ。そんなかわいいところに、クサッとなる汚れをためたくないので、丁寧に掃除した。

ここまではご機嫌だったピーくん、注入の支度をしようとしたところでむずがって泣き出してしまった。サチュレーションの値が下がり、アラームが何度も鳴る。無理はさせられないので、病室に戻って呼吸器を着けることになった。そうなると、入れるのは両親のみ。義父と魂子は会えない。

突然の面会終了に、魂子はショックを受けてしまった。夫が付き添ってピーくんが病室に戻ると、しくしく泣き出した。注入の支度をを手伝うのを、楽しみにしていた。ピーくんが生まれる前、魂子は大きくなった私のお腹を見ながら、「あかちゃんにミルクをあげたい」と無邪気な希望を述べていた。病気がわかり、生後すぐからNICUに入ることになって、その希望はなかなか叶わなかったけれど、前回の面会で注入を手伝うことで間接的に実現したのだ。それで、2回目を楽しみにしていたのだが…。

魂子がピーくんとしたいことは、きっと他にも沢山ある。けれど、普通じゃないこの状況を幼いながらに肌で感じて、我慢してる。なんせ、私に似て気持ちを溜め込んでしまう子だ。厄介なところを受け継がせてしまったものだ。申し訳なくて、ぎゅーっと、小さな娘の体をだっこした。

どんな状況に身を置いても自分を不幸とは思わない、他者から見れば砂金のような小さな一粒であってもそこから多くの喜びや幸せを見いだせる人たちはいる。強い。そういう人たちの話ばかりを聞いていると、今の状況について落ち込む自分が悪いのではないかという気さえしてくる。そうやって、自分を責めたときがあった。

心の強い人たちは、すごいと思うけど真似できるもんでもない。もともとネガ思考の人間なんだし、落ち込んだら落ち込んだでそれは仕方ないのだ。落ち込んだら、また這い上がればいい。無理してアッパーでいるよりも、私にはその方が楽だ。ゼロか100かではなく、その間にたくさんある色々なもののなかで、つかんだいいもの、ましなもの、苦いものを数えて、思い出を組み上げていく。モザイクや曼陀羅みたいに、ちょっと離れたところから振り替えって見てみれば、きっと何かの意味を成すのだろう。

魂子がいま積み上げている感情は、きっと無駄じゃない。ピーくんへの優しさは伝わってる。わかってもらえたらいいな。

 

2018年1月11日の面会メモ(生後3ヶ月/113日)

午後から1人で面会。ぱっちり目を開けたままこちらをチラッと見て出迎えてくれる。手足はバタバタ。顔色もいい。それなのに、一昨日と同様にサチュレーションの値がしばしば下がっては、アラームが鳴る。一体なぜだろう。呼吸器の酸素濃度の設定値が、少し上がっていた。やはり少し悪くなってきているのか。

この日も結局、お風呂は無し。私も体調がいまいちで、暖かいNICUの中で眠くなるほどだったので、ベッドの上で穏やかに過ごしてもらった。無理に抱っこして、落っことしたら大変だ。背中をトントンすると少しずつうつらうつらし始めて、寝たかな?と思ったら、目をクワッと開ける。起きている時間が増えた。黒目がちな眼が私の顔を映すとき、少しずつ意志の光が宿ってきたのを感じる。

定型の発達をする子なら、そろそろ首が据わったり、寝返りの練習を始める頃だろうか。幸か不幸か、魂子がいつ頃どうなったか、すぐには思い出せないくらいにはブランクがあるので、いちいち比べてため息をつかないで済んでいる。私はこの先一体、この子のどんな姿を観られるのだろうか。

そんなことを考えていたからか、どうにも疲れが抜けない。帰宅してもぼんやりとした不調が続くので、翌日の面会は休むことにした。

長丁場なら歓迎だよ、ピーくん。むしろじっくりつきあわせて欲しい。一日でも長く、その大きな黒い瞳が輝いていますように。